(画像はイメージです/PIXTA)

ある女性のもとに、父親が逝去したとの連絡が入りました。女性の両親は離婚しており、それ以降、父親とは音信不通状態でした。もし可能なら、遺産だけでなく、もらえなかった養育費も含めて請求したいのですが、可能でしょうか。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が解説します。

20年前に母と離婚した父、交通事故で死去との知らせ

桜さんの母親である花子さんは、桜さんの父親である和夫さんと20年前に離婚し、桜さんはその後、和夫さんと会ったことはありませんでした。両親の離婚のとき、桜さんは12歳でした。

 

桜さんは母親の花子さんの戸籍に入っています。

 

和夫さんは、会社経営をしており、花子さんとの離婚後、恵子さんという女性と結婚し、誠さんという子どもがいるようです。

 

桜さんは、和夫さんが交通事故で亡くなったということを聞きました。

 

母親である花子さんから、和夫さんは養育費を決めたのに支払わなかったと聞いています。

 

そこで、桜さんは、相続権を主張して、養育費の分も請求したいと考えていますが、離婚後、まったく会ったことがない父親について相続権があるのか不安にも思っています。

 

桜さんはどうしたらよいでしょうか。

 

①桜さんは、花子さんと和夫さんの離婚の際に、母親である花子さんの戸籍に入ったことから、相続権はないので、請求はできない。

 

②桜さんは、花子さんと和夫さんの離婚の際に、母親である花子さんの戸籍に入っていても相続権があるので、遺産を請求できる。

 

③和夫さんが養育費を決めたのに支払わず、20年が経過していて養育費は時効にかかって消滅していることから、桜さんは養育費を請求できない。

 

④和夫さんが桜さんの養育費を支払わなかったことにより、その分和夫さんが残した財産が増えている可能性があり、寄与分を請求できる可能性がある。

 

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