地球環境破壊を止めない大人に対するグレタさんの憤り
なぜあなたたちは
私たちにするなということをしているのですか
(グレタ・トゥンベリの言葉)
グレタ・トゥンベリという名前はお聞きになったことがおありですよね。今19歳のスウェーデンの女の子。いつもちょっと恐い顔をしていますけれど、大事なことを言っていますから、ちょっと彼女の言葉に耳を傾けてみましょう。
グレタさんが活動を始めたのは今から3年半前、15歳の時です。異常気象、もう少し広く考えるなら地球環境問題に対して大人たちが無関心すぎることに憤り、国会議事堂前で抗議活動をしました。
異常気象の原因は人間活動による膨大な量の二酸化炭素の排出なのに、経済活動にばかり目を向けている大人は、一向に問題解決をしようとしないというのが彼女の憤りのもとでした。
二酸化炭素は、石炭や石油などを燃やした煙に含まれていますので、大量生産・大量消費の社会で、工場から出る煙が増えるとともに大気の中にどんどん増えてきました。
鉄道、次いで自動車、さらにはジェット機が飛び、とても便利になりましたが、そこからも二酸化炭素が出ます。困ったことに、二酸化炭素は温暖化の原因になります。
事実、日本でも、本州で5月から気温が30度を超す日があるとか、一日に一月(ひとつき)分の雨が降りましたというようなとんでもない豪雨があるなど、何かおかしいと誰もが思う日が続いています。
でも普通は、地球環境問題などという大きな事態は私一人の力でどうなるものでもないしと考えてしまいます。一人で声をあげたって仕方がないと諦めてしまいがちです。
しかも、世界のリーダーの中には、温暖化は私たちが出している二酸化炭素のせいではないという人までいました。こういう時は、科学の力で誰もが納得するデータを出していくのが現代社会のやり方ですが、困ったことに気候はとても複雑で、科学で答えが簡単に出せるものではないのです。
自然は、科学だけでなく、私たち人間の感覚で捉えることも大事です。農業を長い間続けてきたお年寄りが、雲行きでお天気をみごとに予測するのに驚かされることがあります。勘の大切さです。
でも勘では、世界のリーダーを説得するのは難しく、答えのないままに時が経ってしまいました。