(※画像はイメージです/PIXTA)

参考書を上手に活用することで各教科の補強や強化に直結することができます。模試やテスト結果から、どこを補強するか、強化するか、得点アップの作戦を考えます。その作戦そって参考書を選んでいきます。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

苦手の国語の得点アップ対策とは

続いて教科別に、参考書の使い方例を挙げておきます。

 

国語

苦手意識の強かった国語。受験予定校の国語の入試は簡単ではありませんから、本来は難しい問題にチャレンジしなければなりません。しかし、国語の学力が低いのは、基礎ができていないからだと考えました。そこでまず、漢字と語彙力を基礎から始めることにして、高校入試向けのスタートドリルを選びました。

 

●『くわしい問題集 漢字・ことば』(文英堂)
●『こわくない国語 文法・漢字・ことば』(くもん出版)
●『高校入試でる順 漢字問題の征服』(旺文社)

 

評論文や小説を読む場合、漢字や言葉の意味を知らないとうまく読めません。音読させてみると読み間違えやイントネーションが違うことがあり、言葉を知らないのだとわかります。知らない単語がたくさん出てくる文章を読解することは、当たり前ですが難しいでしょう。

 

漢字・言葉の参考書を4冊、隙間時間に学習するタイプの漢字と語彙の単語帳を1冊ずつ使って、しばらく基礎力アップを目指しました。漢字は、時間をつくりやっていくと必ず力はつきます。漢字で引っかかるのは、今までやってこなかったからです。読書をしてきたお子さんは問題ないかもしれませんが、あまり活字を読まずにきた受験生は、まず漢字と言葉の対策をしましょう。

 

漢字と言葉の補強がある程度できてから、標準レベルからハイレベル両方の長文読解参考書に挑戦しました。文章をとにかく読み、設問を多く解くことで、選択肢や問題の傾向にも慣れることができます。もちろん、隙間時間の漢字・語彙対策は、入試直前まで行っていました。

 

さらに、国語の得点アップ対策としては、できるだけ古文の点数を落とさないようにすることも目指しました。なぜかというと、本人の現代文の読解には波があって、得点力がどうしても読めないためです。出題文のジャンルによって、読みやすい文章と難解な文章に分かれてしまうのだと思います。

 

国語の力は一朝一夕にはつかない、というのが本音です。本人が全く知らない世界について書かれた文章は読解が難しい。日頃から好奇心を持ち、アンテナを張って視野を広くしておくことは、実は国語力につながっている、読解力の前の下地をつくっておくことも大切ですね。

 

古文も漢字と同じく、単語帳などを使って単語力と文法の基礎を固めました。古文は覚えるべきことをきちんと覚えれば、点数は上がります。基礎力をつけてから、標準的な古文・漢文の問題集に取り組みました。古文は併願する私立校も出題があったので、受験校の特徴的な問題は、過去問を使って対策をしました。

 

また、都立国立高校の国語は、大きく三つの問題があり、その三番目が「融合問題」です。融合問題とは、現代文と古文を融合した問題で、近年の都立自校作成入試問題のトレンドになっています。対策として、先述したシリーズの融合問題の参考書を1冊、その後は、過去問数冊で対策をしました。

 

【例】国語の対策ポイント

●漢字・言葉の学習で基礎固め
●評論文・小説ともに選択肢に慣れる
●古文と融合問題の対策

 

息子の場合は、これらの対策ポイントを可能にする参考書選びを意識しました。参考書はどれがいいのかわからない場合、実は、目指す学力の目標や本人の強化ポイントが明らかになっていないことが原因かもしれません。参考書を何のために使うのか、その目的をしっかり把握しましょう。

 

国語には、漢字、語彙、現代文(評論・小説)、古文、漢文、融合問題とあって、各自の受験に合わせ対策は分かれます。どの部分を補強したいのかを明確にして、ピンポイントで参考書を活用してください。本人に必要な学力と対策を意識しながら、参考書を選んで勉強を進めましょう。

次ページ苦手な空間図形には時間を割かない作戦

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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