(※画像はイメージです/PIXTA)

たくさんある参考書から必要なものを選び取る作業は時間がかかります。目的に合わせ、本人に合った参考書を選ぶために、保護者のみなさんは、参考書選びのサポートも参加してみてはいかがでしょうか。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

英語は単語を知っていることが強みに

塾なし高校受験の勉強を支える参考書の使い方を教科別に紹介します。

 

英語

英語は、英単語・熟語の学習に加えて、まずは英作文の対策をしました。なぜなら、英作文は、ミスなくきちんと作文できれば、高得点が狙える問題だからです。英語の得点アップには、英作文対策が必要だと考えました。

 

英作文の採点は減点方式で、誤ったスペルや文法はマイナス(減点)されます。そのため、難しい単語や言い回しを使わずに、例えば、中1のレベルの文法・単語だけを使っていたとしても、解答として正しければ満点がもらえます。知っている単語と文法だけで英作文をしっかり書く練習をしておくことが、高得点を狙うポイントです。

 

使用した参考書例:

 

●『高校入試スーパーゼミ[英作文]』(文英堂)

 

シグマベスト・スーパーゼミシリーズの英作文用です。この参考書は、①英作文を書くための文法ルール、②基本単語の英作文、③テーマ別演習の自由英作文、と目的別に3章に分かれています。

 

目指したレベルは③のテーマ別の自由英作文でしたが、段階を踏んで学習することで英作文に必要な力をつけられたと思います。近年の入試問題では、条件つき英作文の出題が増えているため、その条件英作文に対応する力を段階的に学習していくことができました。

 

次に長文読解ですが、シリーズで活用した「最高水準問題集」を中心に勉強しました。

 

使用した参考書例:

 

●『シグマベスト 最高水準問題集 英語 中2・中3』(文英堂)
●『ハイクラステスト 中学 英語長文』(受験研究社)
●『高校入試特訓シリーズ 英語長文難関攻略30選』(東京学参)など

 

基礎固めとリスニング対策に、音源を聞く参考書も中3の早い時期に活用しました。

 

●『ハイパー英語教室 中学英語長文2[入試長文がすらすら読める編]』(桐原書店)

 

これは音読・ディクテーション用のCDつきで、都道府県公立高校入試レベルの長文を制限時間内に読む訓練ができます。200字程度の長文問題で、単語や語句を聞いて書き取るディクテーション(穴埋め)ができるので、書きながら耳から音で英語を学習できる他、音読することでも覚えていくスタイルです。中学レベルの英語は、手と耳と口を使って学ぶ方法がよいでしょう。

 

基礎固めができたらどの参考書でもよいので、次は制限時間を少し短めに設置して、速く正確に長文を読む訓練を意識的に取り入れましょう。息子もそうでしたが自宅学習の場合、ついついのんびり解きがちです。入試は時間との戦いなので時間を必ず意識して、本番よりも短い時間設定で練習をしておくほうがいいでしょう。

 

長文読解は、最終的に多ジャンルの英文を読んでおくほうが入試にはプラスになると思います。長文の内容によっては、たとえ日本語であってもわからない(知らない)ジャンルだった場合、英語で読み解くことがかなり難しくなります。

 

また、これは使用した本人の感想ですが、「特訓シリーズ」の英語長文は、難度の高い問題が多く、当時の息子の目標には必要のない参考書となりました。やはり、参考書のレベルの見極めは重要だと感じました。あまりに難解すぎる参考書は、英語嫌いになるのではないかと少し心配しました。

 

難関私立高校などの問題は、英語のレベルに加え、内容も文学・物語的なものから時事・社会的なもの、自然科学などの論説文まで幅広く難問が多いです。それらを収録したハイレベルな参考書を使うのか、それが必要かどうかきちんと受験生本人が確認し、相談しながら決めましょう。

 

英語は単語を知っていることが強みになります。隙間時間を使って英単語をひとつでも多く覚えることも忘れないようにしましょう。

 

次ページ理科、社会は中1の学習内容を復習から

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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