(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

今後の局面を整理する

われわれは現在を含め、次の3つの局面を迎えると考えられます。

 

1.景気後退が来るまでの局面……「戻り」が付きもの(ベア・マーケット・ラリー)
2.景気後退……ディスインフレ:利下げ・金利低下
3.景気回復……インフレ:金利上昇

 

現在は「1.景気後退が来るまでの局面」に立っているわけですが、その「マス目」からのポートフォリオの運用を考えると、「2.景気後退」と「3.景気回復」でワークする資産をバランスよく持つことが、ポートフォリオに良好なリスク・リターンをもたらすと考えられます。

 

理由は3つあります。

「景気後退」・「景気回復」両面に対して準備を

『1.景気後退が来るまでの局面』=足元の動きを無視すべき理由

1つめの理由として、「資産運用は長期目線が基本」であることに立ち返ると、「1.ベア・マーケット・ラリー」や「2.景気後退」はつかの間の出来事であり、これらよりもずっと長い「『3.景気回復』をしっかり取ることが資産運用そのもの」です。

 

[図表1]米国:平均的な景気後退の期間
[図表1]米国:平均的な景気後退の期間

 

2つめの理由として、「2.景気後退:ディスインフレ」と「3.景気回復:インフレ」は、好対照な事象であり、この2つに備えられれば、たいていのことは乗り越えられます。

 

3つめの理由として、「1.景気後退が来るまでの局面」で必ず起きる(といってよい)ベア・マーケット・ラリーは、結局「ダマシ」であり、「短期筋が仕掛けてそれに乗った人が損をするだけに終わるもの」です。

 

[図表2]2000年前後のS&P500
[図表2]2000年前後のS&P500

 

「2.景気後退」が来ないなら「3.景気回復:インフレ:金利上昇」へ

ここで反論があるとすれば、「『2.景気後退』が来なかったなら、どうするのか」ということでしょう。

 

「2.景気後退」が来なかったなら、労働市場はひっ迫したままですから、「3.景気回復:インフレ:金利上昇」に向かいます。いつもお伝えしているように、気候変動・米中分断・格差是正・労働力人口の減少・貨幣発行といった長期的なテーマはいずれもインフレを示唆しています。

 

「2.景気後退:ディスインフレ」が来なければ、「3.景気回復:インフレ」ですから、2.と3.に備えられれば、問題は起きません。あわせて、景気後退までに時間がかかる場合には「3.景気回復:インフレ」のポジションで対応できます。

 

「株価をみていると景気後退を忘れてしまう」かもしれませんが、たとえば、新規失業保険申請件数の増加をみていると、景気後退はやってくるようにみえます。

 

[図表3]米国の新規失業保険申請件数(4週移動平均値)
[図表3]米国の新規失業保険申請件数(4週移動平均値)

 

次ページ債券も持ちつつ、実物資産や割安株式にも分散

【ご注意】
•当資料は、情報提供を目的としたものであり、ファンドの推奨(有価証券の勧誘)を目的としたものではありません。
•当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、その正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
•当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数値、運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
•当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き作成者に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録