【経営者必見】自社の戦略立案に役立つ「クロスSWOT分析」という手法

5F分析でライバルとの競争状態を把握する

ミクロ環境を分析する際には、競合相手がどのようなサービスや商品を提供しているのかを理解し、市場の変化にどのように対応しているのかを知ることも必要となります。また、現在の競合と自社との競争状態の把握も欠かすことができません。

これらの競合環境を分析する手段としては「5F（ファイブフォース）分析」が有効です。5F分析は、5つの競争要因をもとに、自社を取り巻く産業構造について整理する手法であり、アメリカの経営学者、マイケル・ポーターによって創案されました。

5つの競争要因は①売り手、②買い手、③業界内の競合、④新規参入業者、⑤代替製品・サービスです。これらの要因をもとに業界の将来性、成長性、自社の事業の成功可能性などについて検討していきます。

［図表3］5F分析

具体的には、①売り手と②買い手は商品の値段に強い影響力をもっています。①売り手、すなわち商品の材料の供給業者の交渉力が強ければ「材料費の上昇=商品の値段の上昇」を招きますし、②買い手の交渉力が強い場合には商品の値段が抑えられることになります。

また、③業界内の競合が多かったり、④新規参入業者が将来的に増えるようであれば、価格競争を強いられ利益率が低くなるおそれがあります。

さらに、⑤代替製品・サービスについてですが、これは全くの異業種からの参入が考えられます。たとえば、ファストフードの競合相手として携帯電話が考えられます。携帯電話は食べられませんが、購入者の限られたお金、時間の争奪戦という意味で、十分競合になりうるのです。このように市場に参入してくる新商品・サービスには常に広くアンテナを張って警戒しておかなければならないのです。

［図表4］モスバーガー事例

木下 雄介
カッティング・エッジ株式会社　代表取締役
中小企業診断士

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか？」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】