受験に「先取り学習」が必要な理由
中期的目標のもうひとつは、②先取り学習です。これは、学校ではまだ学習していない3年次の単元を自分で学習すること、予習のためではありません。なぜ受験に先取り学習が必要なのでしょうか。
答えは、入試の出題範囲は中学の全範囲だから、です。
過去問を解き始めようと考えたとき、未学習の単元があると取りかかれません。志望校の過去問対策は、受験に必須です。公立校入試は、早い都道府県では1月末から始まり、首都圏では2月15日以降です。受験生は秋になれば、過去問を解き始めて対策を進めていきたいと考えるでしょう。その場合、学校の学習スピードでは間に合わないのです。
特に、中3の後半に学習する数学の範囲に気をつけましょう。公立入試の数学は、出題の約5割が3年の学習内容といわれ、入試頻出の単元が多いです。早くても12月中に終わる授業通りのスピードで進むと、入試対策ができなくなってしまいます。これは、難易度は違えども、標準的な公立校から難関校入試まで同様なのです。数学の他に英語の文法についても、先取りが必要になる場合があるでしょう。
先取り学習が必要な例:
数学➡円周角の定理/三平方の定理
英語➡関係代名詞や現在分詞、過去分詞
一般的な進学塾では、中3の夏前後にはひと通り中学の履修範囲を終えるところが多く、以降は、応用問題や入試対策をしていくようです。息子は、二次関数や三平方の定理などの重要単元は、夏休みに計画的に先取り学習をしました。先取り自学習には、オンライン教材を用いて、講義を聞いて勉強するというかたちで進めました。
授業スタイルと同じ形式がよいと考えたからですが、先取り学習には、オンライン教材は便利で、コストパフォーマンスがいいと思います。
中期的な目標については、固定された日程(通過ポイント)に関係なく、また学校生活などと並行して進めなければなりません。計画的に少しずつ進めるか、普段なかなか時間がとれない場合は、まとまった時間のある長期休暇(春・夏休み)を上手に使うといいでしょう。
目標や学習プランで計画表が埋まってきました。もし、先々まで決定することが難しい場合は、まず1カ月をめどに考えてみましょう。徐々に埋めていくのもありですし、仮決めをしておいて変更してもよいでしょう。
塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター
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