子どもの成長を信じて高めの目標設定を
ここからは実践編としてまず、どのようにして「塾なし受験」を進めていったのか、具体的に書いていきます。塾なし受験に挑戦するにあたって、目標設定からスケジューリング、チェックと分析、その後の対策や改善など、入試日までの道のりに必要なノウハウを明かしていきましょう。
①目標設定をする
導入編で説明をしましたが、高校の見学・説明会やインターネットなどで受験校の情報収集をしながら、勉強を進めていくには、まず、目標を設定する必要があります。すでに志望校が決まっている場合はいいですが、もし決まっていないなら、目指したい学校群のレベルを設定しましょう。具体的な学校でなくても構いません。学校選択の参考になるので、中2の冬、もしくは中3の5月頃の模試を一度受けて、自分の偏差値を知っておくといいでしょう。
ほどよく高めの目標設定を。
目標は、ある程度高くてもいいと思います。目標を高く設定するほうが、受験生にはより効果的に働く場合があります。ただし、あまりに高すぎる目標は、人によっては現実味がなくなってしまうため、受験生に合わせて考えてみるとよいでしょう。
目標を高く設定するのには理由があります。受験は、目標設定から約1年後~短くても半年後の入試日までにそのレベルに達していればよいからです。高く設定すれば、学力は伸びていく可能性があります。そのとき(目標設定時)の成績を参考に決めてしまうのは、少々もったいないということです。
まずは、希望条件を満たしている学校をリストアップしましょう。あくまでも目標設定なので、偏差値はあまり気にせず、理想とする高校生活をかなえてくれそうな学校を選びましょう。本気でその高校に行きたいのであれば、まずは目標に向かって頑張ってみればよいわけで、軌道修正は後からでも可能です。
中3の6月、息子は、偏差値でみると進学した国立高校より低い都立高の説明会からスタートしました。グループ作成入試問題の高校で、夏休みには、授業体験にも参加しました。
当時の息子の学力から、合格可能な学校はこのあたりかなと目星をつけて参加したのですが、通学に時間がかかることと、部活用のグラウンドが広くないため、夏には志望校から外れました。
【例】
中3の新学期:国立高校を含めた複数の都立高を仮目標に設定
情報収集と受験勉強をスタート
↓(3カ月後)
9月以降、国立高校を中心に併願する私立高を受験の対象に絞る
検討した各高校間の偏差値幅は4差ほど