(※写真はイメージです/PIXTA)

「信頼関係は、すべての土台となる大切な要素」です。そもそも信頼感は、人と人との間に生まれます。その間をつなぎ、満たすのが「コミュニケーション」に他なりません。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で解説します。

部下との信頼関係は、すべての土台となる要素

あなたはどれくらい部下のことを知っていますか?

 

研修などで、リーダーシップ発揮のステップとして「相手を知る」をお伝えすると、混乱される方、ショックを受ける方もいます。

 

「今まで部下のことを知ろうとしていなかった」
「部下のことをよく知らないのに、一方的に指示や指導をしていた」
「成果にとらわれてしまい、部下という人に興味を持つ余裕がなかった」
「『部下を知る』といっても、一体何を知ればいいのか」
「自分の仕事に精一杯で、部下とコミュニケーションを取る余裕がない」
「上司側から、部下に近づくというのは、発想になかった」

 

といった具合です。

 

もしも部下が「機械」なら、「相手を知る」ことはラクでしょう。特定の機械について詳しく調べればいいだけだからです。

 

ですが、部下はひとりの人間。一人ひとり個性も違うし、相性も、長所も短所もあり、コンディションやモチベーションは常に変化しています。さらにプライベートの事情(介護、子育て、夫婦関係、同居家族、交友関係)によっても、変わってきます。

 

さらに、上司と部下という関係上、部下に質問したとしても、正直に回答してくれるとは限りません。仮に、部下が正直に答えてくれたとしても、それが本当なのかさえわからない。

 

リーダーは、そういうなかでリーダーシップを発揮していかなければならないので、とても難しい面もあります。

 

でも途方に暮れないでください。

 

「自分を知る」に取り組んだリーダーであれば、自分と比較することで部下を知ることが容易になっていきます。

 

まずは、「部下の価値観」と「今のコンディション」を把握してください。

 

その方法をこれからお伝えします。

 

その前提として、まずは部下と信頼関係を築いてください。このプロセスをたどることで、部下自身も、自分を知り、相手(上司であるあなた)を知ることができ、やるべきことを発見しやすくなります。

 

さらに余裕がある方は「自分を知る」の項目を、部下にも適用し、部下の「過去、現在、未来」をわかる範囲でいいので、把握するようにしてみてください。

 

■「部下を知る」ための信頼関係の3ステップ

 

「信頼関係は、すべての土台となる大切な要素」

 

これは私が常にお伝えしていることです。

 

しかし、研修でお伝えすると、反論される方もいらっしゃいます。

 

・飲み会が減り、部下と会話する機会が減っているから難しい
・業務連絡や進捗確認だけでも精一杯
・朝の挨拶と会議以外はチャットやメールですませている

 

コミュニケーションの量も質も、どちらも不足しがちと感じているリーダーが多いのが実情です。

 

次ページ部下と信頼関係を築く3つのポイント

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

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