ストレッチでやせやすい体作りはできる
▶Q:ストレッチでやせられる?
A:もちろん! やせられる
B:ストレッチだけじゃ無理でしょ
正解はこっち! B:ストレッチだけじゃ無理でしょ
■「ストレッチでやせますか? 」は「ごみ捨てでやせますか? 」とほとんど同じです
日々の摂取カロリーを消費カロリーが上回れば、誰でも確実にやせることができます。
そのためには、
①筋肉をつける
②消費カロリーを増やす
③摂取カロリーを減らす
の、3つの黄金ルールを実践する以外、方法はありません。
では、ストレッチはダイエットの3原則のうち、どれにあてはまるでしょうか?
まずは①について。筋肉はトレーニングによって傷つき、修復されることを繰り返しながら太くなります。太くなる、つまり筋肉のサイズが大きくなるので、筋肉量が増えます。でも、残念ながらストレッチでは筋肉が傷つくほどの強い刺激を加えられません。ですから、ここにはあてはまりません。
また、②についてですが、残念ながらストレッチの消費カロリーはとっても少ないので期待薄です。
運動による消費カロリーを計算する際に指針となるのが、体の活動強度を示す「METs(メッツ)」という単位です。ストレッチの強度をMETs に換算すると、2.5METs。
これは、ごみ捨てとほぼ同じ。つまり、「ストレッチだけでやせますか?」という質問は、「ごみ捨てに行けばやせますか?」と聞いているのと同じなんです。
そして当然、ストレッチは食事ではないので③もあてはまりません。以上のことから、「ストレッチだけ」でやせることは難しいでしょう。
ストレッチをする時間があったら、筋トレや有酸素運動を行うほうが、断然、近道。とくに運動経験がなく、筋肉の少ない人は、筋トレを最優先して行うのがおすすめです。まずは筋肉をつけて、代謝のいい体を作る。それから有酸素運動で体脂肪の燃焼を促すプランが、もっとも効率的です。
ただし、ストレッチも「やせ効果ゼロ」ではありません。例えば体が硬い、あるいは常に肩こりや腰痛などの不調を抱えている人は、ストレッチから始めるのもアリです。
体が硬いと、どうしてもこりや痛み、疲れを感じやすくなります。ストレッチを習慣にし、体が柔らかくなれば、慢性的な不調から解放されます。体の状態がよくなれば、歩くことやこまめに体を動かすことが苦にならなくなり、自然と日々の活動量が上がってくると思います。
このように、ストレッチだけではやせられませんが、やせやすい体作りはできます。
「いきなり筋トレや有酸素運動をやるのは無理」「運動不足であまりにも体が硬い」「こりや痛みがある」という人は、欲張らず、ストレッチから始めてみてください。
実際、私が体が硬すぎる方をトレーニングするときは、体のコンディションを整えるところから入り、運動しやすい体を作る計画を立てているんですよ。
動ける体作りから始めることは、決して“回り道”ではありません。体の硬さがほぐれ、こりや痛みが軽くなれば、「ちょっと歩いてみようかな」「階段を使ってみようかな」という気持ちが生まれます。
その後、「体が柔らかくなって動きやすくなった」「痛みが軽くなった」「元気が出てきた」という状態になったら、次のステップ、「筋トレ」にチャレンジしてください。
中野ジェームズ修一
PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
米国スポーツ医学会認定運動生理学士
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