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働いていない高齢者をどう支えるか
――でも、日本では少子高齢化が進んでいて、これからも高齢者は増えていきますよね。現役世代が高齢者を支えていけなくなるのでは?
長尾FP 少子高齢化によって、高齢者は増える一方だと思っている人が多いようですが、間違っています。
これから、現在約600万人いる団塊の世代が亡くなっていく時代に入ります。このため、高齢者が増えるのは2040年あたりまで。ここを過ぎると、高齢者の数はほぼ横ばいになるんですよ。
――そうなんですか。でも、高齢者が増えなくても少子化は進みます。年金の財政は圧迫されると思いますが。
長尾FP 少子高齢化で年金制度がだめになると主張する人は、65歳以上の高齢者1人を、20歳から64歳までの現役世代の何人で支えるのか、という視点から説明しようとします。単純に、世代別の人口で比較するわけです。
まず、この視点から見てみましょう。1980年代の人口分布を見ると、高齢者1人を現役世代6.6人で支えていました。いわば神輿の上に高齢者が乗り、それを現役世代がかついでいるような状態ですね。
その後、日本では少子高齢化が進み、2010年には高齢者1人を現役世代2.6人で支えるようになりました。かつぐ人の数は減りましたが、一応、まだ神輿のような状態です。
しかし、その後も少子高齢化は続き、2040年になると高齢者1人に対して、現役世代は1.4人しかいないという状況になると予測されています。これはもう神輿ではなく、現役世代が高齢者を肩車しているような状態。こう説明されることが多いんですよ。
――はい、聞いたことがあります。神輿でかついでいたのが肩車になるなんて、大変なことですよね。
長尾FP そう思うでしょう? けれども、年金制度で重要なのは、働いていない高齢者を働いている人がどう支えるかということです。単純に世代の人口比で説明できるようなことではありません。
働いていない高齢者、働いている人という視点から見ると、じつは1980年の時点で、すでに神輿の状態ではありません。働いていない高齢者1人を、働いている0.9人で支えていました。
その後、2010年には働いている0.97人で支えており、さらに2040年には0.9人で支えるようになると予測されています。これらの数字を見ると明らかで、年金制度は少子高齢化の影響は特に受けないのです。
――ちょっと、狐につままれたような気がしますが、どういうことでしょう?
長尾FP 昔と比べて、いまは女性が社会にずっと進出し、働くようになっています。加えて、近年は60歳を超えても多くの人が働いており、その傾向は今後さらに強くなるでしょう。
つまり、昔も今も、働いて年金を支払う人の割合はあまり変わっていないので、年金制度は崩壊しないというわけです。
もうひとつ、年金制度が「マクロ経済スライド」を採用しているのも健全性を保てる理由です。
マクロ経済スライドとは、人口減少や寿命の延び、インフレやデフレなどの社会情勢に合わせて、年金の給付水準を調整する仕組みのことです。たとえば、物価が上がると年金の支給額も少しだけ上がる、といったように自動的に調整されます。
もう一度、結論を言いましょう。年金をもらえなくなることはありません。安心して、年金を老後資金の柱にしてください。
――なるほど、安心しました。FPさんに教えてもらったことを実践して、年金をできるだけ増やすようにしたいと思います。
長尾 義弘
フィナンシャルプランナー
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