「新製品の開発で、一気に起死回生を図る!」…不渡りを出した中小企業が蘇生できたワケ

「新製品の開発で、一気に起死回生を図る!」…不渡りを出した中小企業が蘇生できたワケ

不幸な工場火災がきっかけとなり、不渡りを出してしまった九州の衛生用品会社。工場の稼働が止まって静まり返る会社は、まるで命を失ったかのようでしたが、そこに続々と関係者たちが訪れました。激励やサポートの申し出に感激した、社長は起死回生を誓います。まず考えたのは、事業内容の方向転換でした。

新たな主力商品と新製品の開発で再建を目指す…!

周りの人の親切に助けられながら、会社は再建への道を歩みだしました。とはいえ一度不渡りを出した会社に対して、銀行などの金融関係の目はシビアでした。これまでにも増して、資金繰りが大変ななかで再建を進めていくのは並たいていのことではありませんでした。

 

再建策を考えていくにあたって、父がまず考えたのは事業内容の方向転換でした。新しいものばかりを追い求めていては、リスクが高くなります。今の段階ではもっと事業内容を絞り、確実に利益をあげていくことができるようにしようと考えたのです。その考えにしたがって他社に先駆けて開発した不織布やナプキン、紙おむつなどの分野からの撤退を決めました。

 

というのもこれらの分野については大きな会社が進出してきて、資本力を活かして大量生産するようになっていたからです。品質では負けない自信があっても、まともに張り合ったら打ち負かされることは火を見るよりも明らかです。

 

これまで苦労を重ねて開発した不織布でしたが、転用できる設備を残して関連機械も処分することになりました。これに代わって主力にしようと決めたのが脱脂綿です。不渡りを出した翌月、この方針を固めていたところに、福岡の「ハニー」という綿会社から脱脂綿加工の依頼を受け契約することができました。

 

やがてなんとか負債は払い終えたものの、資金繰りの苦労は絶えませんでした。主力を脱脂綿に切り替えたために機械の組み替えをし、生産設備の変更も必要になったからです。

 

またハニーの注文に応えるために、生産工程の変更もしなければなりませんでした。こういった方向転換の一方で、父は「新製品の開発によって一気に起死回生を図ろう」という考えも同時に抱いていました。

 

 

龍宮株式会社 代表取締役社長
梯 恒三

 

 

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梯 恒三

幻冬舎メディアコンサルティング

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