時代を先取りした「救急セット」は不発に…
どんなに苦しい状況にあっても父は常に新製品の開発を考えていてまだ世に出ていないもの、よそにはできないもの、それでいて少しでも人の役に立つものを開発したいというものづくりの精神をもっていました。
この頃に開発したのは、ガーゼに脱脂綿を取りつけた「プラスガーゼ」という製品です。これを基に何か新しいものができないだろうかと考えて救急セットを作ってみたものの、売上は芳しくありませんでした。
新しい製品を作ってはみるものの、なかなか売れないという状況を打破するべく開発した自信作が「清潔フキン」でした。脱脂綿にガーゼをつけたものを改良し、フキンとして売り出したのです。今でも、中に綿の入ったフキンは斬新なものです。実はこれが「パシーマ」の原型となります。
この商品で波に乗ろうという矢先、不運なことにハニーの工場が操業停止になってしまいました。ということは、私たちが受注していた脱脂綿加工の仕事もゼロになるということを意味します。
再建の道に暗雲が垂れ込めたとき父が悩んだ末にたどりついたのは、地場産業のパートナーになろうということでした。
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