追い込まれた中小ものづくりメーカー…「いいものさえ作れば」「大手を頼れば」保守的な思考で撃沈

追い込まれた中小ものづくりメーカー…「いいものさえ作れば」「大手を頼れば」保守的な思考で撃沈

長引く不況、多様化する消費者ニーズに苦しむ中小のモノづくりメーカーのなかには、サプライチェーンの一部となることを選んだり、あえて状況から目を吸向け「いいものを作る」ことに固執したりなど、守りの姿勢で苦境を回避しようとするところも多くありました。しかし、良いものを作っているだけでは生き残れない時代が、すでに到来していたのです。

希少な材料でものづくりをしている会社が倒れたら…

経営が苦しくなった中小企業が次々に倒れていくと、そのサプライチェーンも切れていきます。

 

私たちの会社の例で言えば国内の紡績を行っている会社も残りわずかとなり、残っている会社もいつまで続けていけるのかが分からなくなっています。というのも織物の前工程の整経・サイジングをする会社が九州に1~2社あるのみで、商品の製造に使っている機械をメンテナンスできる会社がなくなってしまっているからです。

 

つい最近も国内で唯一、キルティング用の機械を作っている会社から生産を終了するという連絡があったばかりです。体力がない会社は、社長の代替わりのタイミングなどで事業を畳んでしまうということも少なくありません。

 

希少な材料を使ってものを作っている会社ほど、どこか一社でも倒れたらすべてストップしてしまうという危機にさらされています。そんな綱渡りのような緊張感を抱きながら生き残る道を見つけていかなければならないという現実に、中小ものづくりメーカーは直面しています。

「良いものを作っているだけ」では生き残れない時代

「地道に良いものを作っていればよい」という考え自体は間違ってはいません。「良いものを作る」ということは、ものづくりメーカーにとって大切なことです。

 

ただ、良いものを作っているだけでは生き残れない時代がすでに来ています。いかに売っていくのかということを考えるのをやめた途端、会社は時代の波に飲み込まれて姿を消していくしかありません。

 

そうならないためにも、私たちのような中小ものづくりメーカーは次のようなことを考え続け挑戦し続けなければなりません。

 

“唯一無二”の良いものを作るために考えること

 

●地方の弱小企業の製品を信用してもらうにはどうしたらよいのか

●大手にまねできない強みをどのように構築するのか

●小さな会社だからこそできる、消費者とのコミュニケーションとはどんなものなのか

●独自の販路をどのように切り拓いていくのか

●地域に根差した会社であるにはどうしたらよいのか

 

 

 

龍宮株式会社 代表取締役社長
梯 恒三

 

 

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一品勝負 地方弱小メーカーのものづくり戦略

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梯 恒三

幻冬舎メディアコンサルティング

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