小論文、面接、集団討論で何が問われるのか
推薦入試は、小論文や面接、集団討論など、学力検査で見ることのできない力を試されます。語彙力や論理的な考え方、答え方、文章力、対応力など、一夜漬けでは育たない力です。しかも、人気の学校は高倍率になります。対策として日頃から家庭で意識してできることは、新聞を読むこと、世間のニュースを意識することの他、会話の際に、理由を述べる練習をして論理的思考を鍛えること、などです。
集団討論の練習とまではいきませんが、家族でその日のニュースや時事的なテーマについて、時々話し合いました。身内でも互いの意見を述べ、聞くことは、受験生にはプラスにはなるでしょう。自分の意見を述べ、家族の意見も聞いてみると、違った考え方があると認識できますし、他人の意見を参考にして自身の意見を再考することもできます。
息子は数回、学校で面接と集団討論の練習を受けました。学年の先生や副校長と数回、面接練習を繰り返し、希望する生徒が集まった集団討論の場にも参加しました。
この取り組みは、公立中学校でも、丁寧に受験指導が行われていると感心したことのひとつです。地域差・学校差があるかもしれませんが、学校で練習がある場合は活用してみてはいかがでしょうか。PTAが主導して、外部の講師を呼び、面接対策をしている公立中学校もあるようです。
息子は、残念ながら国立高校の推薦入試は不合格。
しかし結果を受けて、「絶対国高(くにこう)に入ってやる!」とますます気合が入りました。あの日、掲示板に自分の受験番号がなかった帰り道、その悔しさから入学への思いを強くしたようです。夫と私は、チャレンジしたことをたくさん褒めました。
本当に行きたい第一志望の高校であれば、チャンスは2回と考えて、推薦入試にもチャレンジすることを我が家は選択しました。本人は自信がなかったので、推薦に挑戦することに初めはとても後ろ向きでしたが、「ダメ元でいいからやってみれば」という親のアドバイスを受け入れました。
推薦入試の受験を勧めたのには、理由がありました。
◦受験のチャンスが1回増えるから
◦小論文対策で、国語の力をつけたかったから
もちろん、合格できればすばらしいですが、都立の場合、一般入試よりも推薦入試は狭き門であり、受験者の3分の2が不合格となる厳しいものです。実は、都立高校第一志望者の推薦入試利用率は、年々下がってきています。これは、狭き門の上に、集団討論や面接、小論文・作文の対策に時間を割いても、多くの受験生は合格できず報われないためでしょう。
さらに、私立の授業料軽減制度や、大学入試を見据えた付属校の人気で私立志向が高まっていることも、関係しているかもしれません。