相続財産は「価値ある収益物件&多額の負債」だが…損失回避の選択肢〈限定承認〉の落とし穴【弁護士が解説】 (画像はイメージです/PIXTA)

独身の叔父が亡くなり、遺産を相続することになったおいめい2人。叔父は価値ある収益物件を所有する一方、事業で失敗して多額の負債も抱えています。おいは、債務を遺産の範囲内で相続する「限定承認」を提案しますが…。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。

叔父が遺した「1億円の収益物件」と「9千万円の負債」

太郎さんの叔父さんである健二さんが亡くなりました。健二さんは独身で子どもはなく、また、健二さんの両親と祖父母はずっと前に亡くなっています。

 

健二さんの兄である太一さんも亡くなっており、健二さんの相続人は、太一さんの子どもである太郎さんと花子さんの2人です。

 

健二さんは、自宅兼貸しマンション(1億円相当)を持っていました。ただし、健二さんは事業に失敗し、その借入れが9,000万円残っていて、マンションの賃料はその返済に充てていたので、預貯金等はありませんでした。

 

太郎さんは、借金がどれくらいあるかわからないので、遺産と負債を比較してプラスだったらプラスの分を受け取れ、マイナスになったら相続しなくて済む「限定承認」をしようと考えています。

 

他方、花子さんは、遺産と負債を比較してプラスなのだから、相続の承認をして、遺産も負債も相続しようと考えています。

 

太郎さんはどうしたらいいでしょうか。ちなみに、自宅兼貸しマンションの敷地は先祖からの相続ですし、建物は事業に失敗したときのどさくさで書類をなくしてしまい、取得価格はわかりません。

 

①限定承認は、相続人全員でする必要があることから、花子さんを説得して限定承認をする必要がある。

 

②限定承認は、単独でもすることができるから、花子さんの説得は不要だ。

 

③限定承認をすると遺産に譲渡所得税がかかる可能性があり、本件では債務と合わせてマイナスとなってしまい、限定承認をする意味が無くなる可能性がある。

 

【7/9(土)関連セミナー開催】
機関投資家からの信頼も厚い「いちご」が不動産小口化商品を提供
「好立地×新築レジデンス」で叶える最強の「資産防衛」

 

高島総合法律事務所
代表弁護士 

1965年生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科卒業、1994年弁護士登録。第一東京弁護士会所属。現在、高島総合法律事務所、代表弁護士。

不動産会社、個人の資産家等の顧問を務めており、『相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!』、『訴えられたらどうする!!』、『企業のための民暴撃退マニュアル』(以上、税務経理協会)などの著作がある。

「遺産相続・遺留分の解決マニュアル」をホームページに掲載している。

著者紹介

連載相続専門弁護士が解説!よくある相続トラブル実例集

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
TOPへ