23日の香港・中国市場…「株式市場は反落、バイデン発言を受けて下げ幅縮小」 (画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

23日の香港・中国株式相場は反落

ハンセン指数 20,470.06 pt (▲1.19%)

中国本土株指数 7,022.45 pt (▲1.39%)

レッドチップ指数 3,900.71 pt (+0.10%)

売買代金1,051億3百万HK$(前日1,226億7百万HK$)

 

23日の香港ハンセン指数は反落し前営業日比1.19%安(247pt安)だった。一時は400pt超売られる場面もあったが、バイデン米大統領の対中国関税見直し発言をきっかけに午後から下げ幅を縮小した。訪日中のバイデン大統領が、中国への関税の撤廃について帰国後、イエレン財務長官と会談する予定だとコメントした。トランプ前大統領が課した中国の関税を撤廃することを検討するとの報道を受け、中国人民元は1年4ヶ月ぶりの安値水準である6.85元/ドルから大きく買い戻され6.66元/ドルの水準まで回復した。株式相場でも買い戻しが入り、前場での下げから値を戻す展開だった。中国CSI300指数は、同0.58%安の4,053.98で引けた。

 

22日、上海市では、地下鉄を含む公共機関の一部が再開された。中国本土の感染者は連日1,000人を下回り、上海市をはじめ一部の都市では減少傾向にある。しかし、首都北京では22日の感染者は99人、前日は61人で、感染者の増加は続き、行動制限はむしろ強化された。中国本土での「ゼロコロナ政策」の出口が見えないことが、株式市場の上値を抑える展開が続いている。新型コロナウイルス感染抑止のために、経済活動の正常化に遅れをとる中国では、経済の先行きに厳しい見方が広がっている。

ハンセン指数の定期入れ替えが発表

ハンセン指数の四半期毎の定期入れ替えが発表され、半導体製造のSMIC(0981)、輸送会社のOOCL(0316)、アルミ大手の中国虹橋集団(1378)、中国自動車の中升控股 (0881)が新たに追加。小型電子部品メーカーの瑞声科技(2018)が除外され、ハンセン指数の構成銘柄は現在の66銘柄から69銘柄となった。6月13日から実施される予定。ハンセン指数は2022年半ばまでに80銘柄まで拡大することを目標にしており、今後さらに増加する可能性が高い。ハンセンテック指数は今年、米国と重複上場した自動車のNIO(9866)が採用され、半導体のASMPT集團(522)が除外された。構成銘柄は1増1減で計30銘柄は変わらず。

 

ハンセン指数に予想外の新規採用となった輸送会社のOOCL (0316)が6.3%高、アルミ大手の中国虹橋集団(01378)が7.8%と大幅反発した。一方、除外された小型電子部品メーカーの瑞声科技(2018)は6.8%安。ハンセンテック指数は他指数をアンダーパフォームし2.4%安、EVメーカーの小鵬汽車(9866)、中国自動車の理想汽車(2015)が下落、アリババ(9988)、美団(3690)なども下落した。

米国証券委員会は新たに中国上場廃止リストを追加

米国証券取引委員会(SEC)は20日、中国株の「予定上場廃止リスト」に13日以来、新たに8社を追加したと発表した。米外国企業説明責任法(HFCAA)に基づき「確認済みリスト」に掲載された中国企業は、これで合計148社となった。5月初旬には、米国財務省筋が中国政府関係者に対して、米国に上場している中国企業のコンプライアンス上の問題については解決に向かうと告げたとの噂もあったが、この問題の終着点は不明というべきだろう。

 

また9日に廃止リストに追加された滴滴出行(DIDI)は、本日23日月曜日の19時(香港時間)に北京で臨時株主総会を開催し、上場廃止計画に向けた議論が行われると報じられた。主な主要株主にはソフトバンクグループ、テンセント、Uberなどが含まれる。滴滴出行は、昨年6月末に発行価格14米ドルでニューヨーク証券取引所に上場、上場当初こそ18.01米ドルの最高値をつけ、時価総額で874億米ドル(約6,820億香港ドル)まで拡大した。しかし、先週末の株価水準は、1.5米ドルをつけるまでに下落、時価総額は、わずか72.8億米ドル(約570億香港ドル)である。

 

米国における中国系企業の上場は、滴滴出行の上場以降、概ね停止されており、SPACなどを考慮しても米国上場を果たした中国系企業はごくわずかである。今年に入り、上場廃止リストに追加される中国企業が日々増え、より厳格化された監査基準の適用により米国での上場廃止に追い込まれる可能性は高まりつつある。米中対立の構図は引き続き厳しいものがある。

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

Wells Global Asset Management Limited, CEO 国際金融ストラテジスト <在香港>

シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。

2004年末に東京三菱銀行(現MUFG銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009年からは国際部門に異動しアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。

その後、MUFG銀行を離れ、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence (限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。

2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得し、最高経営責任者として、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。

世界水準の投資機会や投資戦略、資産防衛に精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。(個人ブログ:HASEKENHK.com

京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)、名古屋市生まれ

著者紹介

連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」

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