不動産投資を行うなら、まずは都心の中古ワンルーム。いくつかのタイプがありますが、数ある不動産商品の中でもお勧めできる特徴があります。規制により供給が絞られる都心ワンルームは今後さらにプレミアム化する可能性も。24,000戸以上を管理する不動産会社の代表の重吉勉氏が著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)で解説します。

31年間「ワンルーム」にこだわってきた理由

わたしがワンルームに特化してきたのには理由があります。ワンルームは空室リスクが少なく、ランニングコストも安くすむからです。

 

2LDK、3LDKといったファミリータイプのマンションを投資対象としている方もいますが、空室期間、リフォーム費用、内装工事期間、投資利回り、リスク分散、あらゆる面でファミリーマンションよりもワンルームのほうがすぐれています。

 

■空室期間が少なく、出費も少額

 

例えば、東京23区内のワンルームの場合、わたしの会社では平均1か月ほどで次の入居者を見つけることができますが、ファミリーマンションとなると、引っ越しシーズンのピークを逃すとなかなか決まりません。ワンルームは1人で住むので意思決定権者も1人ですから、スピーディに物件の入居が決まります。

 

ファミリーマンションだと、ご主人は勤務先の近くが良いといい、奥様は日当たりやキッチンの大きさや使い勝手、そして子どもの学区や病院なども問題になり、簡単には決まりません。

 

そもそも現在の住宅ローンは変動金利で0.5%前後まで下がっており、同じ広さのファミリーが住めるお部屋を選ぶなら、借りるよりも購入したほうが毎月の住居費は安くなることがほとんどです。ファミリーマンションを借りようとする層が、ワンルームに比べて圧倒的に少ないのです。

 

そのほか、入居者が退去した後のリフォーム工事もファミリーマンションのほうが高額になります。単純にワンルームと比較して3倍以上の広さはあるので、壁識や床材も修繕箇所もそれだけ多くなり、エアコンも部屋の数だけ必要になるので、交換時期が重なれば大変な出費です。

 

ワンルームの場合、数万円から10万円程度の工事費用ですむものが、ファミリーマンションともなると、30万円から50万円になることも珍しくありません。

 

次に入居者募集で苦戦する、なかなか空室が埋まらない物件の特徴をまとめましたので参考にしてください。

 

資料:重吉勉著『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)より。
資料:重吉勉著『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)より。

 

次ページ築浅物件とバブル期物件の違いと特徴は?

本連載は重吉勉氏の著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産投資が気になったらはじめに読む本

不動産投資が気になったらはじめに読む本

重吉 勉

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