不動産投資を行うなら、まずは都心の中古ワンルーム。いくつかのタイプがありますが、数ある不動産商品の中でもお勧めできる特徴があります。規制により供給が絞られる都心ワンルームは今後さらにプレミアム化する可能性も。24,000戸以上を管理する不動産会社の代表の重吉勉氏が著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)で解説します。

築浅物件とバブル期物件の違いと特徴は?

ひとくちに中古マンションといっても、その分譲年によって間取りや設備は異なってきます。分譲年数によって、中古ワンルームは築浅物件とバブル期物件に大別できます。

 

主に2000年以降に建築された比較的築年数の浅いワンルームマンションはバスとトイレが分かれており、室内の広さも20平方メートルから25平方メートルと広めの設計です。

 

また、設備面でも充実しており、インターネット回線やケーブルテレビが付いてくる物件もあります。物件価格は2000万円~ 3000万円程度、家賃収入から毎月の経費を差し引いた手取り利回りは4%前後です。

 

一方、1990年前後のバブル期に分譲されたワンルームマンションは、バスとトイレが一体型の「3点ユニットバス」が取り付けられた物件がほとんどです。室内の広さも16平方メートルから19平方メートルと築年数の浅い物件に比べて狭くなっています。部屋面積の都合上、キッチンが電熱式であったり、ミニ冷蔵庫が備え付け、洗濯機置き場が後からの増設といった物件もあったりします。

 

一方で、物件価格は築浅物件と比べると安くなり、物件価格は1000 ~ 1500万円程度、手取り利回りは4~5%です。ただし、金融機関によっては、バブル期物件は法定耐用年数との兼ね合いで、融資可能期間が短くなる可能性があるので、借入れをして投資を始める場合には考慮しておく必要があります。

 

築浅物件は、手取り利回りの数字こそバブル期物件より少し劣りますが、その分設備が優れているので入居者からの人気が高く、比較的空室が早く埋まりやすいのが特徴です。もちろん、バブル期物件でも駅近などきちんと立地を見極め、相場の家賃で募集すれば入居者はつきます。バブル期物件と築浅物件の比較は、次の表のとおりです。

 

資料:重吉勉著『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)より。
資料:重吉勉著『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)より。

 

■最新設備なら将来交換する必要もない

 

最近つくられているワンルームはますます設備が充実しており、独立洗面台がついているマンションも珍しくありません。室内がグレードアップして、居住性が向上しているほか、共用部にも宅配ボックスが設置されるなど、現在の時流にあった設備がもともと備えつけられています。よって、大きな設備交換の必要性もなく、その分、将来の修繕コストも抑えることができます。また、一般的にバブル期物件と比べ入居者が決まりやすい傾向にあります。

 

ただ、バブル期物件でも必要に応じて室内のリノベーションを行うことで、空室期間の短縮や賃料アップなどを実現することができます。リノベーションといってもすべて100万円、200万円といった単位の費用がかかるわけではありません。わたしの会社では投資用物件という観点から、あらかじめプランをパッケージ化することで20平方メートル以下のワンルームで基本費用50万円未満に抑えたリノベーションプランがありますので、そうした選択肢もあることを考慮に入れておくと良いでしょう。

 

次ページワンルームマンションの開発規制が強化

本連載は重吉勉氏の著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産投資が気になったらはじめに読む本

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重吉 勉

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