「勉強に興味がない子」も知的雑学で興味を喚起
■子どもの小さな質問を大切にする
私自身、子どもに英語に関する質問を受けた場合、できるだけ「どうしてこういう答えに行きつくのか?」といったプロセスを説明するように心掛けています。
例えば「どうしてgoの過去形はwentなの?」と子どもに聞かれた時、「試験に出ることだけ覚えればいい」と言えば、それで終わりです。「いい質問だね。実は、似たような意味の動詞にwendというのがあって…」などと周辺知識を説明すれば、子どもの英語への好奇心が高まり、「もっと知りたい」という意欲が増すはずです。
⇒「なぜ」の繰り返しが学力を育てる
■「自分で調べさせる」と、興味をもつきっかけが見つかる
「タコはオクトパスだからoctは8なのに、どうしてOctoberは10月なの」と質問を受けたことがあります。素晴らしい質問だと思います。「ビー動詞(be動詞)の説明の後、エー動詞はないの」と聞かれた時と同じぐらいの衝撃を受けました。
答えを知っていましたが、子どもに調べるよう促しました。「ローマ皇帝アウグストゥスが月名を変更したからだ」(諸説あり)と翌日には調べてきました。自分で調べた後で、ローマ皇帝のシーザー(Caesar)とアウグストゥスがどんな功績を残した人かを説明しました。アウグストゥスのローマ字表記Augustusから、8月のAugustのスペリングを指導しました。
「10月はOctober、そういうもの。覚えなさい」で済ませることもできたでしょう。しかし子どもは、ちょっとしたことがきっかけで興味を覚えていくものです。子どもの「なぜ」と向き合った昔を思い出してください。その時の子どもの目は輝いていたのではないですか。
⇒分からないことは子ども自ら調べさせる
「カラーバス効果」で子どもの好奇心をさらに刺激
■興味のある情報ならどんどん覚えられる「カラーバス効果」
カラーバス効果とは、自分が意識していたり興味がある情報は自然と頭に入ってくる現象の事です。面白いと思えば思うほど関連知識が増えていき、自然と知識が有機的につながっていくものです。
カラーバス効果を利用して子どもの得意科目に関しては肯定的な言葉掛けをし、その分野に対する興味を育てましょう。日本史に興味がある子どもには「今度XX城に行ってみないか。その前に色々調べておいてね。ガイド役になってね」などとすれば、知識だけでなく表現力、発信力なども同時に鍛えられます。好きなことを話すのは楽しいものです。
こうした工夫の一つひとつが子どもの成長の促進剤となるのです。
⇒好奇心を刺激する工夫をする
乾 俊和
株式会社ドゥクエスト 代表取締役社長
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