まずは「親が覚悟を決めること」がスタートライン
医学部受験は難関であると同時に難解でもあります。
国公立大医学部と私立医学部では試験対策が異なります。また国公立大と言っても、都市部と地方では難易度も大きく異なります。地方の国公立大に合格したものの、地元の私立医学部に進学する生徒も増えています。
また、他の学部と異なり、医学部に入るために3浪や4浪したり、一度大学を卒業し社会人になってから再受験する生徒もいます。ある意味で特殊な世界です。
都市伝説にも近い風説や謬見があちらこちらに転がっています。だからこそ医学部受験に当たっては、親が明確にしておくべき事柄があります。それが次の4つです。
●国公立大医学部だけなのか、場合によっては私立医学部もあるのか
●国立大医学部であれば、地方でもよいのか
●医学部に入るためには、何浪まで許容できるのか
●医学部を断念した場合のどんな選択肢があるのか
知っておくべき国公立大医学部と私立医学部の「違い」
■国立大がダメなら私立で…は危険な考え
まず気をつけたいのは、国公立大と私立では勉強の仕方がまったく異なります。教科ごとの偏差値と満点の差には【図表】のようにバリエーションがありますが、しっかりチェックしている人は実はそう多くはありません。
東大や京大は二次試験の受験科目に国語がありますが、阪大はありません。そして、東大の医学部は偏差値72.5ですが地方国公立大医では偏差値60前後のところもあります。私立医学部と比べても、地方の国公立大学の医学部の方が入りやすいのです。
東大や京大にこだわらず「医学部狙い」であれば、攻略可能な医学部を見つけて、そこに狙いを定めましょう。
東大や京大と地方国公立大医学部とでは、勉強の仕方がそもそも違います。私立医学部の偏差値を見れば、「国公大がダメなら、私立医学部でいいや」というほど甘くないことも分かるでしょう。私立医学部と地方の国公立大医学部とでは、首都圏、関西圏の医学部のほうが難しい傾向がありますし、勉強方法がまるで変わってきます。私立への路線変更は容易であると勘違いしていると、戦略を誤って失敗します。というのも、私立医学部は、配点を見ると理科の配点が大きいからです。
⇒医学部受験は情報戦