苦手科目があっても対策次第で合格は可能
■「全教科ハイレベル」を求めるのは、東大理Ⅲ、京大医学部くらい
多くの子どもは英語なり数学なり、苦手科目を持っています。模試を受けると偏差値70を超える科目があるのに、英語だけは50台だったりするなど偏差値にデコボコがあると、親が心配になるのはもっともです。
ただ苦手科目があるから大学受験に不利、と考えて焦る必要はありません。全教科ハイレベルでこなせないと受験が厳しい大学はごく限られているからです。はっきり言えば、東大理Ⅲ、京大医学部くらいです。東大の理科Ⅰ類、Ⅱ類であれば、英語が平均程度でも見事合格した子どもは多くいます。驚くかもしれませんが、東大に合格した私の生徒でgiveの過去形をgivedで覚えている子もいました。
■「時間を割いて解くべき問題」と「捨てるべき問題」を見極める
苦手科目は頻出かつ重要な20%を中心に学習を始めてください。例外的な事項や難易度の高い20%は思い切って捨てましょう。意外と知られていないことですが、難易度の高い問題は、通例では客観式問題で問われます。国公立大学二次試験では、配点の高い記述問題に時間をかけるのが必勝法です。記述問題は、基本的な知識とその運用力が試されています。例外的な20%が出たら「誰もができない」「正解でも配点が低い」と割り切る力も必要です。
東大の二次試験は得点率50~55%で合格します。一科目苦手な教科があっても合格できます。私の生徒でも英語が50点(50%以下)で理Ⅲに合格しています。
また、京大理系の場合は、国語は50%の得点率でも十分合格することが可能です。現代文2題、古文1題の構成と難易度から判断すると、古文に時間を割くのが得策です。京大の古文は現代文に比べると平易で、全体像をつかむ事は難しくありません。基本的な語彙と文法知識と古文常識があれば60%以上の点数を取ることができます。
もちろん、現代文を軽視して容易と言っているのではありません。現代文は全ての教科の土台です。あくまでも苦手な生徒のための戦術としてのアドバイスです。
このように志望大学の傾向を見極めることで、苦手科目であっても作戦の立て方次第では、合格点は見込めるのです。
⇒科目ごとに目標点を設定する
⇒記述問題を得点源にする