(※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦間において、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除される、「贈与税の配偶者控除」。一見すると非常にお得な制度に思えますが、活用に当たっては、贈与税以外の課税がある点や、「長生きリスク」に伴う懸念事項も含めて検討することが大切です。多数の相続問題の解決の実績を持つ司法書士の近藤崇氏が解説します。

【関連記事】相続時精算課税制度とは?利用するメリット・申請手続きから注意点まで、税理士がまるっと解説

「自宅の名義を妻にすると節税になる」と聞いたが?

 相談内容 

 

横浜市在住の60代夫婦です。


知人から、夫名義の横浜市内の自宅の不動産(一戸建て)を、配偶者である私名義にしたほうが相続の節税対策になると聞きました。

 

詳しいことよくわからないのですが、その手続きをしておくと、後々のために何かとメリットがあるそうです。どういうことでしょうか?

「贈与税の配偶者控除」という制度がある

 回 答 


恐らく知人の方は、「贈与税の配偶者控除」という制度を勧めたものと思われます。

 

どの個人間でも、年間の110万円までの贈与については非課税で行うことができるのですが、この基礎控除110万円とは別に、一定要件を満たす「夫婦間で行われた居住用不動産またはそれを取得するための金銭の贈与」については2,000万円まで非課税となるのが、「贈与税の配偶者控除」という制度なのです。

 

司法書士への相談として「居住用不動産の夫婦間の贈与における配偶者控除」に関する問い合わせをよく頂きます。

 

この制度は下記のようなものです。

 

「居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除」されるものだ。

『No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除』国税庁ホームページより引用)

 

制度を使える要件としては下記の3点です。

 

(1)夫婦の婚姻期間が20年以上あること。

 

(2)贈与するのが自宅不動産(土地・建物)、または自宅不動産を取得するための金銭であること。

 

(3)贈与を受けた年の翌年確定申告の時期まで、贈与を受けた者が現実に住んでいる、その後も住み続ける見込みであること。

 

この制度は、相続対策として使われることが多いのか、弊所にも多くの問い合わせがあります。とくに東京都内や川崎市、横浜市等、地価がある程度高い地域では利用したくなる制度といえるのかもしれません。

 

ただこの制度、一見するとメリットしかないような制度に感じられますが、実務で取り扱ってみると、必ずしもそればかりではないような気もします。今一度、メリットとデメリットを検討してみましょう。

 

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    本記事は、司法書士法人 近藤事務所が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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