不動産は長男へ、金融資産は半分こ…偏った父の遺言に長女激怒「せめて自宅がほしい」【弁護士が解説】 (画像はイメージです/PIXTA)

亡き父の遺産は、およそ3億6000万円の不動産と、約4000万円程度の金融資産。遺言には「不動産はすべて長男へ、金融資産は長男と長女で半分ずつ」と書かれています。あまりに不公平な配分に長女は怒りますが、父親の遺言通りではなく、少しでも平等な遺産分割に変更することはできるのでしょうか。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。

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「たったこれだけ!? せめて自宅は相続したい…」

太一さんは、資産家で、自宅(8000万円)と貸しマンション一棟(2億8000万円)、預貯金や株式を持っていましたが、今年(2022年)になってから新型コロナウイルスに感染して亡くなりました。

 

貸しマンションのローンが終わったところなので負債はありませんが、預貯金や株式は合計で4000万円くらいでした。太一さんには長男の太郎さんと長女の花子さんがいます。妻の陽子さんは亡くなっています。

 

花子さんは、太郎さんと遺産を平等に分けるものだと思っていたところ、何と、太一さんは遺言を残しており、遺言の内容は、

 

1 自宅と貸しマンションは太郎さんが相続する。

2 預貯金と株式などの金融資産は2分の1ずつ相続する。

 

というものでした。

 

花子さんは、せめて自宅を相続できないかと思っています。花子さんはどうしたらよいでしょうか。

 

①太一さんの遺言は法定相続分に違反するので無効だ。

 

②太一さんの遺言は有効なので、花子さんは遺言書のとおり、預貯金と株式の2分の1である2000万円しか請求できない。

 

③太一さんの遺言は有効だけれども、花子さんには遺留分が4分の1ある。花子さんは遺留分を請求し自宅と貸しマンションの持分を取得することができる。

 

④太一さんの遺言は有効だけれども花子さんには遺留分が4分の1ある。しかし、遺留分は民法改正で金銭でしか請求できないので、不動産の持分を請求することはできない。

 

高島総合法律事務所
代表弁護士 

1965年生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科卒業、1994年弁護士登録。第一東京弁護士会所属。現在、高島総合法律事務所、代表弁護士。

不動産会社、個人の資産家等の顧問を務めており、『相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!』、『訴えられたらどうする!!』、『企業のための民暴撃退マニュアル』(以上、税務経理協会)などの著作がある。

「遺産相続・遺留分の解決マニュアル」をホームページに掲載している。

著者紹介

連載相続専門弁護士が解説!よくある相続トラブル実例集

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