(画像はイメージです/PIXTA)

駅から徒歩3分という好立地にある戸建て住宅は、所有者の老夫婦が介護付マンションへ入所後、空き家になっていました。しかし、夫婦の末っ子が勝手に暮らし始め、相続時にほかのきょうだいへ居住権を主張しています。末っ子の主張は通るのでしょうか。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。

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空き家となった実家、末っ子が勝手に暮らしはじめ…

太一さんと陽子さんは、高齢になり、介護がないと不便なことから、夫婦で介護付マンションに住むこととしました。自宅(約8000万円)は、駅から3分という好立地の場所にありますが、空き家となっていました。

 

太一さん、陽子さんには、太郎さん・次郎さん・花子さんの3人の子どもがいましたが、誰も太一さんと陽子さんの面倒は見ようとしませんでした。

 

花子さんが離婚したときに、自宅が空いたままになっていたことから、太一さんと陽子さんには、無断で、子どもと一緒に、実家である太一さんと陽子さんの自宅に住むこととしました。

 

太郎さんと次郎さんは、仕事が忙しく、実家には戻らず、花子さんが実家に住んでいるとは気づきませんでした。

 

数年後、先に陽子さんが亡くなり、まもなくして太一さんも亡くなりました。

 

そこで、太郎さんと次郎さんが葬儀のために実家に帰ってみると、花子さんが住んでいたので驚きました。

 

花子さんは、「ここに住むことは両親から承諾を得ていて居住権があるのだから、両親が亡くなったあともずっと住む権利がある」といって譲りません。

 

花子さんの主張は通るでしょうか。

 

①花子さんは、両親の承諾を得ていないので居住権はない。

 

②花子さんは両親の承諾を得ていなくても居住していたのだから居住権はある。

 

③花子さんは、両親の承諾を得ていても居住権は認められない可能性がある。

 

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