(※写真はイメージです/PIXTA)

口癖は、よく使えば物事はうまく進みやすくなりますが、悪く使っていると物事はマイナス方向に進みやすくなります。「言い訳」を意識して話さないようにするだけでも、あなたの思考パターンを変えることができます。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で解説します。

言い訳をしている「自覚」がないケース

■「言い訳」を振り返ると、思考パターンが変わる

 

あなたの行動パターンや思考パターンを変えていきたい場合、こうした言い訳に「自分で気づく」必要があります。

 

実は、これらの言い訳をいきなりやめることは難しいです。というのも、自分が言い訳していることを「自覚」していないことが多いからです。自覚のないことを修正するのは、誰にとっても困難です。

 

たとえば、朝起きて鏡を見たら寝癖がついていたとします。

 

あなたなら、どうしますか? 多くの方は、寝癖を直すでしょう。

 

言い訳もこれと同じで、気がつけば対策できるようになります。

 

では、鏡を見る習慣がない人や鏡を見てもわからない後頭部に寝癖があった場合、寝癖を直せるでしょうか? 寝癖があることを認知できなければ、寝癖を直すことは難しいです。

 

言い訳も同じで、言い訳していることを「認知」することが第一歩になるわけです。

 

今まで、「自分が言い訳しているかどうか?」など、考えたこともなかったという方もいるでしょう。

 

まずは、1日の終わりに、

 

「自分のことを正当化する言い訳をしたかどうか?」

 

を振り返ってみましょう。

 

意識すべきポイントは、事実を見ること。振り返りの評価まで歪めたり、正当化したりしては意味がありません。自分にとっては耳の痛い事実であっても、「あれは言い訳だったな」と思うことは、素直に認めていきましょう。

 

これに慣れてくると、言い訳を口にした瞬間に「あ、言っちゃった」と自覚できるようになります。言い訳直後に気がつけるようになれば、大きな進歩です。

 

この段階になったら、1日に何回言い訳をしたか、カウントして記録に残しておくのもいいでしょう。

 

さらに慣れてくると、口に出す前、つまり言い訳を考え出した時点で、「あ、言い訳しようとしている」と、自分で気がつくことができるようになります。

 

そのタイミングこそがあなたの思考パターンを見直すチャンスです。

 

まずは、あなたが普段使っているやる気を奪う「言い訳をやめる」と、決意しましょう。「言い訳」を意識して話さないようにするだけでも、セルフマネジメントをよりよく機能させていく「きっかけ」となります。

 

大平信孝
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役

 

 

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

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