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「セルフリーダーシップ」という考え方
部下マネジメントの始まりは、「セルフリーダーシップ」です。
もし、あなた自身が上司からの「指示待ち」でイヤイヤ仕事をこなしているのだとしたら、部下に「主体的に動くこと」を期待するのは現実的ではありません。
まずは、あなた自身が自ら考えて動き出す必要があります。
そのためには、「自分を知る」必要があります。
いったい、自分は何を大事だと感じるのか? どうなっていきたいのか?
この点については詳しく解説しました。
「自分を知る」ことができたら、「あなたがあなた自身をマネジメント」していく必要があります。自分の問題や課題を脇に置いて、部下や会社を変えようとしても、遠回りになるだけです。
まずは、自分の課題や目標に向き合える人を目指すのです。
■「セルフリーダーシップ」は2種類ある
リーダーの発言内容や行動そのものよりも、リーダーがどんな状態(あり方・ステート)で、発言・行動したかのほうが、部下やチームに影響を及ぼします。
たとえば、「今月の売上目標」を部下に伝えたとします。
リーダーが「仕事なんだから売上目標を達成するのは当然だ」「売上目標を達成するのは部下の仕事。確実にやれよ」「成果を出せないやつは、会社にいる意味がない」「成果を出せないならやめろ」などと思っているなら、その思いも部下に伝わります。
そうなると、部下は、
「数値目標を一方的に押し付けられても無理」
「一方的に指示命令してきてむかつく」
「そもそもこの売上目標は達成無理。頑張っているふりだけしておこう」
「現状のやり方では無理がある。改善点や提案したいことがあるけれど、今の上司じゃ無駄だから、とりあえず現状維持でやっておこう」
と考えるようになるのです。
これに対してリーダーが、部下とチームの成長を本気で願い、サポートをし、関係各所との調整も率先してやっていたらどうでしょう。
部下も「無理目な数値目標だけれど、頑張ってみよう」「現状では難しいから、上司と相談してなんらかのサポートを得よう」「抜本的改革が必要だから、上司に提案してみよう」といったことにもなるわけです。
セルフリーダーシップには2つの側面があります。
ひとつは、「あり方」を整えること。具体的には、メンタルとフィジカルのコンディションを整えるためのセルフリーダーシップです。マイナスの状態をニュートラルな状態に戻すために必要になります。
もうひとつは、自分の行きたい未来に向かうためのセルフリーダーシップです。
プラスマイナスゼロのニュートラルな状態から、プラスの価値や未来を創造していくために必要になります。