(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカの不動産会社の仕組みや役割について、シアトルで不動産エージェントとして活躍している女性・森田さんとともに、アメリカ不動産コンサルティングを展開する村上年範氏が解説していきます。

アメリカ不動産の「仲介手数料」事情

村上 続いてはコミッション(仲介手数料)に関わる話です。日本は宅建業法を順守しなければなりません。例えば、買主の方で3%、売主の方で3%、不動産会社も儲けなければならないので両手で6%というような不動産取引をします。

 

では、アメリカの場合は宅建業法でコミッションが定められているのでしょうか。買主と売主の両手が取れるのか否かに関して、どうなっていますか?

 

森田 アメリカの仲介手数料に法律で制限はされていません。しかし、現在のところは「手数料は買主と売主合わせて6%が基本」という商習慣があります。

 

そこでの支払い方は日本とは異なり、売主が取り決めた金額のすべてを払います。売主が買主のエージェントとしてまとめて仲介手数料を支払うので、買主は仲介手数料を払わなくていいという商習慣です。

 

村上 仲介手数料については6%でなくてもいいということでもあるので、それより上になるということはあまりないのですが、私たちはブローカーフィーをディスカウントしてもらう際に、その手数料を5%、4%と下げることもできるということでしょうか?

 

森田 そうですね! 最近では手数料を1%で請け負うエージェントも出てきていて、合計で4%しかもらえないということで、1%を自分で払って残りの3%を買主のエージェントに支払ってもらう「ディスカウントエージェント」という仕組みもできてきています。

いろいろなサービスを削ってシンプルなものを安く提供するのが流行りです。

アメリカ不動産まわりで耳にする「リアルター」とは

村上 続いて、アメリカで不動産投資をやっていると「リアルター」という言葉をよく耳にすると思います。先ほどから「ブローカー」や「エージェント」という言葉をおっしゃっていますが、「リアルター」はこの二つとは何が違うのですか?

 

森田 リアルターという言葉は一般的には不動産エージェントを指すことが多いのですが、実際には“National Association of REALTORS”という文字の頭文字をとった「NAR」という協会があり、そこに加入しているエージェントだけがこの言葉やロゴを使うことができます。

 

名刺に「私はリアルターですよ」というロゴを付けたりもできるのですが、ほとんどの人がこの協会に加入していると思われます。ライセンスとは別に協会に年会費を支払ったり、年に一度のオンライン講習を受けたりして協会に加入しています。

 

一般的にはエージェントのことを指す言葉としても使われるのですが、実際にはNARに入っている人たちのことをリアルターと言います。

 

村上 NARのライセンスは、エージェントに限らず、ブローカーであったり不動産の工事会社で持っていたりしますし、協会に加盟していることを称する呼び名ということですよね?

 

森田 その通りです! 日本でも、ウサギと鳩のマークみたいなものがありますよね。

 

村上 ありますね! 全国不動産協会のロゴがウサギで全国宅地建物取引業者協会連合会のロゴが鳩になっています。

 

森田 その二つに似たものに、アメリカではNARがあたります。

次ページ透明・公平なアメリカ不動産を支える仕組み「MLS」

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