定期健診を活かす「7つ」のステップ
■職場の定期健診は、その後の措置や対応が大切
実際に職場で定期健康診断を行い、会社がそれを健康づくりに活かすための基本的な流れは次のようになります。
①委託:医療機関や健診施設に、定期健康診断を委託する。
②実施:社員に定期健康診断を実施する。
③結果受領:医療機関から、定期健康診断の結果を受領する。
④通知・保存:社員本人に結果を通知し(従業員50人以上の職場は労働基準監督署にも報告)、結果を所定の期間、保存する。
⑤結果分析:定期健康診断の結果を分析し、職場の健康リスクを把握する。
⑥事後措置:必要な社員に検査や受診を促す、医師や保健師による保健指導、就業上の措置などを行う。
⑦健診結果の活用:定期健康診断結果をもとに、社員の健康保持・増進のために社内で行うべき対策を検討、実践する。
まずは会社から医療機関や健診施設に委託をし、毎年の定期健康診断を確実に行うことが大前提です。
定期健診の方法には、社員が個別に指定された病院や健診施設に出向いて行う「施設健診」と、職場などに必要な設備やスタッフを揃えて集団を対象に行う「集団健診」があります。一般に集団健診のほうが多くの人を効率良く検査でき、受診率も高くなりますが、従業員数の少ない小さな会社は社員が個別に医療機関を訪ね、健診を受けるスタイルが多いかもしれません。
社員が健康診断を受けた後は、医療機関から健診の結果が会社に届きます。会社の担当者は結果を社員本人に個別に通知し、会社としても記録を保存します。定期健康診断の保存期間は5年と定められています(特殊健診は内容により、最長30年)。会社として記録を保管し、経年の数値の変化を見ていくことも大切です。
健診を「受けさせただけ」で終わらせず、職場の健康づくりにつなげていくためには健診後の⑤結果分析、⑥事後措置、⑦健診結果の活用が、特に重要になります。
富田 崇由
セイルズ産業医事務所
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