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長時間労働と睡眠不足でリスクは増大
健康な職場づくりとは、みんなが安心して気持ちよく仕事をできる職場、社員が疲労やストレスを感じることが少なく、いきいきと働ける職場をつくることです。専門家がいないとできない特別なことだと思わずいろいろな視点から自分たちの職場でできる取り組みを考えてみてください。
▶作業管理①長時間労働が血圧・血中脂質・血糖を上げる
作業管理では労働時間や業務量の管理と、作業のしかたや業務中の姿勢などについて考えます。
労働時間については長時間労働が健康に悪影響を与えるのは明らかです。残業や時間外労働が一定量を超えると、血圧や血中脂質、血糖といった定期健康診断の項目で異常が多くなることが指摘されています。
三重産業保健推進センターの調査(2008年)によると、健診前の6カ月平均の時間外労働時間が多くなるほど、総コレステロールやLDLコレステロールの値が上がるとの結果が示されています。特に時間外労働が月80時間を超えると、上昇率がぐんと高くなっています。
別の調査では、月時間外労働が60~80時間を超える長時間労働は、血圧を上昇させ、脳・心疾患の発症リスクを2~3倍にするという報告もあります。
また長時間労働と睡眠不足が重なることで、心筋梗塞や糖尿病の発症リスクが高まるという研究もあります。時間外労働が61時間以上、勤務日の睡眠時間が1日5時間以下になると、時間外労働が60時間以下、睡眠6時間以上の人に比べて心筋梗塞の発症リスクが4.8倍にもなります。
時間外労働が1カ月に100時間以上、あるいは2~6カ月平均で月80時間以上というのは、いわゆる「過労死ライン」に当てはまります。社員の定期健診の有所見率が高く、労働時間も長いという職場は、残業・時間外労働を少しでも減らすための対策を職場全体で検討する必要があります。
さらに現在は月あたりの労働時間だけでなく、労働者の心身に負荷をかける働き方や異常な出来事なども、労災認定の基準に加えられています。
▶作業管理②「座りっぱなし」で死亡率が上がる
作業のしかたや作業中の姿勢などもあらためて見直しが必要です。
前かがみの姿勢が長く続く、重い物を持ち上げるといった業務では、作業台や机・椅子など環境面の調整と併せて作業方法を工夫する必要があります。また腰への負担の少ない動作を学んで職場全体で取り組んでいくといったことも有効です。
簡単なことでいえば、床にある重い荷物を持ち上げるときは膝を伸ばしたまま腰だけを曲げて持ち上げると腰を痛める原因になります。膝を曲げてかがんで荷物を持ち、ゆっくり立ち上がるようにするだけでも腰への負担は少なくなります。
一方で一般的な事務作業をしている人、オフィスワーカーの人は「座りすぎ」にも注意が必要です。シドニー大学が世界20か国の総座位時間を比較したところ、日本人が平日に座っている時間は7時間(420分)で、世界一長いという結果でした。
欧米の研究では、座っている時間が長いほど健康リスクが高くなることが報告されています。1日に11時間以上座っている人は、4時間未満の人に比べて死亡リスクが40%高まるとの指摘もあります。さらに肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、心疾患、がんなどの発症との関係もあります。
考えられる理由はずっと体を動かさずにいることで血流が悪化し、血管の柔軟性が失われて脳・心臓疾患のリスクが上がるのが一つです。また臀部や脚などの下半身には人体の筋肉の6割が集まっています。座り続けて下半身の大きい筋肉を使わないことで筋肉が減少すると消費エネルギーが下がり、糖や脂質の代謝が悪くなることも一因と推測されています。
早稲田大学の研究では、仕事中の座り時間に、通勤などの移動中の座り時間、帰宅してからの座り時間を合計すると1日に10時間以上になる人が珍しくないということです。この座り過ぎの健康リスクを予防する対策は、こまめに体を動かすことです。
30分に1回立ち上がるだけでも血流が改善するということで「STAND UP 301」という運動をしている団体もあります。30分に1回3分くらい、1時間に1回なら5分程度は立つ・歩く・動くといった動作をするのが効果的です。立ち上がってトイレや洗面所に行く、軽い屈伸やストレッチをする、隣の部署まで物を持って行く、廊下を往復するなど、どんな動作でもいいので職場で定期的に体を動かすよう働きかけることが大切です。