(※写真はイメージです/PIXTA)

チームパフォーマンスを高めるには、どうすればよいのでしょうか。チームパフォーマンスに関する研究を行う橋本竜也氏は、メンバーから主体的な行動を引き出す「心理要因」を数値化し、これらを高めるマネジメントを実践することが重要であると述べます。マネジメントの実践サイクルや、チームパフォーマンスを数値化する方法について具体的に見ていきましょう。

まずはメンバーへのアンケートからスタート

私たちのツールでは、メンバーがWebでアンケートに回答すると、入力されたデータがすぐに計算されます。さらにメンバー全員の入力が終了したら集計されて、分析されます。

 

分析結果はチーム状態、9つの心理要因の状態、8つの主体的行動の発揮度合いとしてまとめられます。またこの3つを基にチームパフォーマンス向上のためのヒントが作成されます。

 

機能のポイントは5つです。

 

①アンケート実施

②アンケート結果の計算(スコアリング)

③メンバー全員のスコアの集計とチームパフォーマンス考察(チーム状態、9つの心理要因の状態、8つの主体的行動の発揮度合い)

④チームパフォーマンス向上のためのヒントの提示

⑤分析結果の配布

 

これはツールがなくとも行うことができます。まず①ですが、これは前項の質問票を活用します。何に関する質問かは隠して、ランダムに並べて直したものを用意します。紙で配付しても構いませんが、集計の手間を考えると表計算ソフトのシートにして配付し、回収します。各要素に対する質問は一つずつしかありませんし、続けているうちにどれに関する質問かなんとなく分かるようになりますが、それでもある程度正しくチームパフォーマンスの状態が分かるはずです。

 

②と③の集計は、表計算ソフトを使えば簡単です。③はメンバー全員のスコアシートを一つのブックに入れて、串刺しに集計すれば合計点を出せます。また関数を使用すればバラツキ(分散)を求めることもできます。したがってチーム状態のスコアとバラツキ具合を見るところまでは大きな手間はかかりません。そしてツールとは順番が変わりますが、⑤分析結果の配布はメール等で済ませておきます。事前にスコア等を見ておいてからミーティングに臨めば話し合いもはかどるからです。

 

問題はチームパフォーマンス向上のために何に取り組むか、そのポイントは何かです。

 

9つの心理要因のスコアを見ながら特に改善に取り組むべき項目を絞りこんでいきます。

 

④のツールからのヒントはないので、ターゲットとする心理要因について「自分は何ができるか」をベースにチーム全体で話し合い、何に取り組むかを決めていきます。

 

 

橋本 竜也

株式会社日本経営  取締役

 

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※本連載は、橋本竜也氏の著書『チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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