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今週の米金利はインフレ関連指標に注目が集まる
90日MAかい離率、5年MAかい離率といったデータを見る限り、米10年債利回りは短期的にも中長期的にも「上がりすぎ」懸念がかなり強くなっている可能性があります。それでも、米インフレ率が40年ぶりの高水準まで上昇するなかで、米金利はさらなる「上がりすぎ」拡大に向かう可能性もあるのか。
米ドル/円は先週にかけて、基本的に米金利に連れる展開が続きました。その関係がこの先も続くなら、米ドル/円の行方は、これまで見てきた米金利の「上がりすぎ」がさらに続くか、それとも「行きすぎ」の修正により米金利が低下に向かう可能性もあるのかが鍵を握ると考えられます。
今週は米3月CPI(消費者物価指数)や同PPI(生産者物価指数)など注目のインフレ指標の発表が予定されていますので、それらの結果を受けて、米金利「上がりすぎ」がさらに続くか、それとも修正に向かうことになるかが、米ドル/円の行方を決める可能性が高いのではないでしょうか。
ボラティリティの上昇続く米ドル/円
ところで、先週は米国株なども反落気味の展開が目立ちましたが、以前のように株安=リスクオフ局面では円高に反応するといった動きにはなりませんでした(図表6参照)。
リスクオフ局面では、安全資産として円が買われるといった構図が、2月後半頃から目立って変化したことも、円安が最近にかけて急拡大した大きな要因だったと考えられます。
以上からすると、米ドル/円の下落リスクは、あくまで米金利「上がりすぎ」の修正次第ということになるのではないでしょうか。
ところで、先週の米ドル/円最大値幅は2.5円程度となり、3週間ぶりに3円を下回りました。それでも、2月までは、1週間の最大値幅は1.5円程度がせいぜいだったことを考えると、ボラティリティが上昇し、「よく動く」相場が続いているといえるでしょう。
これまで見てきたように、米金利の「上がりすぎ」懸念が強まるなかで、さらなる上昇にもおのずと限度があるなら、その影響を受けやすい米ドル/円も3月末に記録した125円丁度の米ドル高値を大きく更新するのは難しいでしょう。
そういったなかでも、最大値幅は2円以上に拡大するなら、今週の米ドル/円の予想レンジは123~125円中心といった感じになるのではないでしょうか。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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