米ドル円の行方を左右する「米金利」…為替のプロが捉えた「上がりすぎ」のサイン (※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル円は、日米金利差拡大の影響により、125円に迫る動きをみせました。そのようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、足元で米ドル円を動かしている米金利について、さまざまなデータから「金利の上がりすぎ」を指摘します。では実際にどのようなデータが米金利の上がりすぎを示唆しているのか、また、「米金利上昇=米ドル高」の流れは今週も続くのか……吉田氏が考察します。

[関連記事]「日本」「中国」「韓国」の軍事力比較…兵力は韓国2.3倍、中国9.7倍

「4/12~4/18のFX投資戦略」のポイント

[ポイント]​

・先週は、米10年債利回りが2.7%まで上昇するなかで、米ドル/円もそれに連れて一時この間の米ドル高値125円に接近するなど上昇傾向が続いた。


・ただし、米10年債利回りは短期的にも中長期的にも「上がりすぎ」懸念がかなり強くなっている。約40年ぶりの本格的な米インフレ局面を迎えているなかで、米金利「上がりすぎ」がさらに続くか否かかが、米ドル/円の行方も左右しそう。

短中長期、いずれも「上がりすぎ」懸念が強い米金利

先週の米ドル/円はじりじりと上昇し、週末には125円に迫る動きとなりました。これは、日米10年債利回り差米ドル優位拡大の影響が大きかったようです(図表1参照)。

 

米10年債利回りは、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの「タカ派」とされた発言などをきっかけに、週末には2.7%まで一段と上昇しました(図表2参照)。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表1]米ドル/円と日米10年債利回り差(2021年10月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表2]米10年債利回りと90日MA(2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

気になるのは、米10年債利回りの「上がりすぎ」懸念が強くなってきたということです。たとえば、米10年債利回りの90日MA(移動平均線)かい離率は、先週末にはプラス40%以上に拡大しました(図表3参照)。

 

これは、短期的な「上がりすぎ」懸念がかなり強くなっていることを示しています。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表3]米10年債利回りの90日MAかい離率(2010年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

ところで、米10年債利回りは、長期の移動平均線、たとえば5年MAが足元で1.8%程度なので、それも最近は大きく上回ってきました(図表4参照)。

 

少なくとも1990年以降で見る限り、5年MAを上回る米10年債利回りの動きは「行きすぎ」の可能性が強く、限定的なものにとどまってきました。とくに、米10年債利回りの5年MAかい離率は、足元ではプラス4割以上に拡大し、1990年以降では最大のプラスかい離率になっています(図表5参照)。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表4]米10年債利回りと5年MA(1990年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表5]米10年債利回りの5年MAかい離率(1990年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

マネックス証券  チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長

大手の投資情報ベンダーの編集長、社長などを歴任し、国際金融に関する情報発信の分野で活躍。 機関投資家に対するアナリストレポートを通じた情報発信はもとより、近年は一般投資家および金融機関行員向けに、金融リテラシーの向上を図るべく、「解りやすく役に立つ」事をコンセプトに精力的に講演、教育活動を行なっている。 2011年からマネースクエアが主催する投資教育プロジェクト「マネースクエア アカデミア」の学長を務めた。 書籍執筆、テレビ出演、講演等の実績も多数。

【動画で解説】吉田 恒の為替ウィークリーセミナー
毎月恒例 米雇用統計セミナー

著者紹介

連載国際金融アナリスト・吉田恒氏が解説!今週のFX投資戦略

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
TOPへ