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「赤字を改善しない医療機関」が辿る末路
日本の病院数は2021年1月時点で8,236施設あり、そのうち4割程度が赤字に陥っています。地域医療の担い手として、収益性の低い医療にも取り組む必要があるとはいえ、この状態が続いてしまうのは非常に大きな問題です。
総務省の統計によれば、日本の人口は2008年の約1億2,800万人をピークに減少の一途をたどっており、2030年には1億1,522万人まで減少し、さらに2050年には約1億人まで減るだろうともいわれています。
高齢化による自然減に加えて少子化も並行して進んでいることから、よほどのことがなければ人口が増加する可能性は低いでしょう。
高齢化率の高まりとともに高齢者医療のニーズの増大は予想されますが、人口そのものが減っていくので、全体の傾向として今後病院を受診する患者数が減少していくことは想像に難くありません。
実際、日本のおよそ3倍の人口と25倍の面積をもつアメリカ合衆国にあるすべての病院数は6,090施設です(全米病院協会FastFactonU.S.Hospitals,2021)。これと比較すると、日本の病院数がいかに多いかということが分かります。
したがってごく近い将来、日本でも病院の淘汰は熾烈化していくでしょう。地理的な条件などもあるため、アメリカの数字と単純比較はできませんが、政府が医療費削減のための効率化を通して日本の病院を4,000施設くらいまで絞り込みかねないとみることは、決して大胆な予測ではありません。多くの病床が再編・統合、あるいは買収といった波に飲み込まれていくものと思われます。
病院組織の再編・統合・M&Aの対象には、黒字の病院と赤字の病院どちらがなるかといえば、自力で立っていくことの難しい赤字経営の病院から標的になっていくはずです。
経営者が自身の医療機関を再編・統合・M&A「される側」に導きたくないと考えるのであれば、今すぐにでも赤字の圧縮・黒字転換に取り組む必要があります。
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