新型コロナ不況への対応で、国の財政赤字が巨額に膨らんでいます。アルゼンチンやギリシャは財政破綻しました。日本の借金は過去最大の1220兆円に上ります。なぜ日本は財政破綻しないのでしょうか。元内閣官房参与の藤井聡氏が著書『なぜ、日本人の9割は金持ちになれないのか』(ポプラ新書)で解説します。

ギリシャの政府の負債は「ユーロ建て」だった

■アルゼンチンやギリシャが破綻した理由

 

――でも、アルゼンチンやギリシャは財政破綻したじゃありませんか。だから日本も危ない、と思っている人は大勢いますよ。

 

藤井 全くの思い違いです。日本の国債は、自国通貨の「円」建てです。外国もごくわずか日本の国債を持っていますが、それも含めて円建てですから、政府の借金は「100%日本円建て」。

 

しかしアルゼンチンは、自国通貨ではない「アメリカ・ドル建て」国債を売って、外国から借りていたおカネを返済できなくなったために財政破綻に追い込まれたんです。その3年前、1998年にロシアも財政破綻していますが、同じく「アメリカ・ドル建て」の負債でした。アルゼンチン・ペソ建てでも、ロシア・ルーブル建てでもなかったのです。

 

2015年にギリシャの財政が破綻したのは、政府の負債がEUの共通通貨「ユーロ建て」だったからです。ユーロを発行できるのは、欧州中央銀行だけ。自国通貨発行権を持ち、「100%日本円建て」国債を発行している日本のように、政府がおカネをつくって借金を返すなどということはどうあがいてもできなかったわけです。

 

何度でもいいますが、政府が自国通貨建ての国債で破綻することは、事実上、あり得ません。歴史上、自国通貨建ての借金を返済できなくなった国は存在しません。

 

アメリカがドルで借金しても、中国が元で借金しても、日本が円で借金しても、返すときに政府の力でおカネを調達することができる。どんな国でも、政府が自分の国の通貨で借金している限り、政府はいともたやすくおカネを調達して返済することができるのです。

 

繰り返しますが、なんといっても中央政府は、その国の通貨を発行する権限、つまり通貨発行権を持っているのですから。自分で簡単におカネをつくり出して借金を返すことができるのに、借金で破産するなんてバカはいないでしょう。だから自国通貨建ての借金で破綻してしまったなどというマヌケな政府なぞ、存在するわけがないのです! 

 

財政破綻論をつくり出した当の財務省ですら、ホームページにはっきりと、「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と書いています。この「デフォルト」というのは債務不履行を意味する言葉です。「国債の債務不履行は考えられない」ということは、要するに「日本政府が国債を発行してつくった借金を返せなくなって破綻することはあり得ない」ということなんですよ。

 

――えーっ、信じられない。きっと、デフォルトなんて書いても、国民は見ないだろうし、見たって意味がわからないだろうと高をくくってるんでしょうね。腹立つ〜。

 

藤井 財務省もそのように明確に公言しているのですから、自国通貨建ての国債を発行している日本政府が国債を発行してつくった借金を返せなくなって、ロシアやアルゼンチン、ギリシャのように財政破綻することは絶対にありません。
 

 

藤井 聡
京都大学大学院工学研究科教授 元内閣官房参与
木村 博美
フリーランスライター

 

 

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    本連載は藤井聡氏の著書『なぜ、日本人の9割は金持ちになれないのか』(ポプラ新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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