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状況悪化がやまぬウクライナ情勢
2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、状況が急速にエスカレートしています。ロシアの行動と、それがウクライナの人々に与える恐ろしい影響だけでなく、欧米の同盟国の対応に関してもです。
事態はさらに悪化し、非常に悲しいことに、人道的危機が深まっています。また、制裁措置の発動はロシア経済に深刻な影響を与えるだけでなく、世界の経済成長にも大きな影響を与える可能性があります。
このような背景から、私たちは投資家としてより慎重かつ保守的なスタンスを取っています。
侵攻前のシュローダーの見通し
新興国市場にとって、2022年前半は厳しい状況になると予想していました。世界の金融政策は依然として緩和的ではあるものの、引き締め傾向にあり、財政支援が薄れるなかで、世界経済は依然堅調ではありますが、下押し圧力がかかっていました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大後の正常化を考えると、在庫サイクルの鈍化とともに、モノからサービスへの消費のシフトが続くと予想していました。更に、物価上昇率は予想以上に高い水準で推移しました。
しかし、ポジティブな材料もありました。新興国の利回りと通貨は魅力的な水準にあり、中国の国内総生産(GDP)に対する新規与信の伸び率は底を打っていました。
物価上昇についても供給の改善と需要の伸びの緩和を背景に、年後半には緩和するものとみていました。新興国株式市場のバリュエーションは全体として、過去と比べるとやや割高なものの、先進国市場、特に米国と比較すると魅力的な水準にありました。
事態は急速にエスカレート
ロシアの侵攻に対し北大西洋条約機構(NATO)と欧米諸国は、ウクライナの抵抗と同様、予想以上に団結し、強固な対応をとりました。制裁は予想以上に大規模で、ロシア経済に深刻な影響をおよぼしています。
NATOは新たな目的を与えられ、東欧におけるその存在感は高まり、欧州の軍事費は大幅に増加する可能性が高いとみています。ロシア軍の苦戦が広く報じられている一方、ウクライナのナショナリズムは強化されました。
プーチン大統領は大きな過ちを犯し、これがさまざまな人に悲惨な影響をおよぼしています。しかし、プーチン大統領は自分の行動に固執しており、弱さをみせることはないと考えられます。
その結果、悲しいことに、軍事的成功を追い求めるがあまり、より多くの民間人の犠牲者を生むことにつながっているといえます。NATOおよび欧米諸国とロシアはともに態度を硬化させています。
足元ロシアとウクライナの和平交渉では、一定の進展があったとも報じられています。 交渉による解決がなされれば人的被害がなくなることを期待したいものの、双方依然として溝は深く、ウクライナ側は中立化を約束することが可能としていますが現時点では領土を譲る気はなく、このことはプーチン大統領にとっては受け入れがたい可能性があります。
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