ロシアの制裁の影響は?
制裁は予想以上に厳しく、欧州と米国はロシア中央銀行の外貨準備の凍結に動いています。ロシアは現在、世界で最も制裁を受けた国となっています。これはロシア経済に大きな影響を与えるでしょう。
ロシアは、制裁とそれに続く欧米企業の撤退が重なり、深刻な不況に直面するでしょう。ロシアとウクライナが世界のGDPに占める割合は2%未満にすぎません[図表1参照]が、今回の紛争はコモディティ市場を介して、世界経済に大きな影響を与える可能性があります。
ウクライナとともに、ロシアはさまざまなコモディティで世界の輸出の大きなシェアを占めています。エネルギーから金属、貴金属、穀物、肥料にいたるまで、様々な商品を輸出しています。
地政学的リスクプレミアムと供給停止の恐れが重なり、コモディティ価格は広範囲にわたって大きく上昇しました。このような高騰が続けば、広範な経済への悪影響が生じることになります。
ロシアの輸出が短期的に中断される可能性が指摘されています。レピュテーションリスク(悪評が広がるリスク)やさまざまな制裁強化のリスクが、ロシアの一部のコモディティの購入の妨げとなっています。
一方、リスクへの対応から、企業はコモディティの在庫の積み増しを進めています。また、欧米諸国の技術、ハードウェア、専門知識を失うことで、ロシアのコモディティ供給に長期的な影響がおよぶ可能性があります。
さらに、ウクライナは小麦やその他の農産物の重要な生産国および輸出国であるため、食料価格への影響が特に懸念されます。燃料や肥料が不足し、収穫量が大幅に減少することが懸念されるほか、国土の一部が占領される事態に至っているため、小麦の生産サイクルにも影響が出ています。
価格高騰がどの程度続くかはまだ不明です。制裁措置は当面継続される可能性が高く、さらに強化される可能性もあります。さらに、価格の高騰が需要の減退を招く可能性もありますが、特定のコモディティの供給を増やす可能性もあります。
原油については、イランとの取引、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が主導するOPECの生産対応、米国のシェールガス投資と生産の加速、米国の戦略的石油備蓄の放出などが予想されます。
パイプラインで運ばれた石油とガスは、長期契約のもとでヨーロッパに流れ続けていることに留意することが重要です。これとは対照的に、短期的な混乱がみられるのは、スポット市場を通じて取引される海上輸送によるものです。
ウクライナの農産物の作付けが広範囲にわたって中断されたり、世界的に肥料の供給が中断されれば、食料価格への影響は持続する可能性があります。
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