【関連記事】2031年は日経平均10万円…日本の先行きを「楽観」できるワケ
本記事で伝えたい5つのポイント
・新型コロナウイルスにかかる不透明感は残るものの、マクロ経済環境は内需を中心 に回復が続くと見られ、企業業績の見通しも良好です
・市場全体としてバリュエーションは過去平均を若干下回る水準で、企業業績の伸びやROE向上による上値余地が期待されます。米国市場との比較では出遅れ感が強く、相対バリュエーションは顕著に割安です
・外国人投資家から見た投資魅力の向上が待たれますが、大きな支援材料に恵まれなかったとしても消去法的に日本株がアウトパフォームする展開が十分に起こり得る状況です
・2021年は特に前半では、投資スタイルの観点ではバリュー株のリバーサル相場になりましたが、サイズでは大型株優位の傾向が続きました。2022年には、内需の回復を受けた小型株の戻りが期待されます
・東証市場再編を受けて、プライム市場に求められる気候変動関連の情報開示が進み、ガバナンス体制のスタンダードも引き上げられるなど、ESGについては更なる注目が集まると見られます
内需中心に回復が続くマクロ経済環境
足元では新型コロナウイルスの変異株、オミクロンによる感染再拡大が懸念されていますが、2020年10月に緊急事態宣言が解除されて以降、徐々にではあるものの消費の回復が続いています。
80%近いワクチン接種率は世界的にも高水準であり、オミクロンの特性が確認され、さらには飲み薬や治療薬の承認、ブースター接種の日程明確化を経て、感染拡大ペースの鈍化が確認できた頃には社会的に安心感がでることが期待されます。
岸田政権が企図するような賃上げには時間がかかるとみられるものの、所得環境は良好であり、コロナ収束となればいわゆるリベンジ消費が消費支出を押し上げるとみています。2021年後半には主に半導体不足などのサプライチェーン問題によって落ち込んだ自動車生産にも持ち直しの動きがみられており、加えて、電子部品・デバイスや一般機械などでも増産基調となっています。
輸出動向も好調で、日本企業が競争力を有する分野では受注の強さが企業決算などでも確認されています。2021年12月の日銀短観では、堅調な企業センチメントが確認されたことに加えて、設備投資計画も力強い数字を維持しており、生産性向上のためのIT投資などを中心に企業の投資意欲の高さが伺えます。