※画像はイメージです/PIXTA

北関東を中心に、高利回りの築古アパート投資を行っている凄腕投資家は「基本的に売却はしない」といいます。規模拡大だけが不動産投資ではありません。どう考えればいいのでしょうか。不動産売却実績4000件の新川義忠氏が著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)で不動産売却のコツを解説します。

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新型コロナで「資金繰り」で不動産売却

売却理由の最後は、ここ1年で増えている方々です。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた、飲食業や旅館業を経営している事業者が業績不振に陥り、「資金繰りのため手持ちの不動産を売却したい」というようなケースです。

 

店舗自体は賃貸している場合が多いため、経営者の自宅を売却したり社宅を売却したりということが多いです。

 

なお、飲食店だけでなくテレワークの推進によりオフィス需要も減っていると言われていますが、テナントオーナーからすると安定的に運営できる住居系不動産に比べて、テナントやオフィスなどの商業系不動産は、基本的に不安定であるため、「コロナだから」と特別視することはないようです。

 

むしろ通常であれば、空きが出ないような好立地に、空き物件があるということで、新規出店も相次いでいます。

 

例えば、コロナ禍で撤退したカウンターだけの小さな飲食店の後に、テイクアウト専門の高級食パン屋がオープンするといった事例もあります。

 

■売却で目指すのは「ぼろ儲け」ではない

 

前提として「売却=ぼろ儲け」ではないことを知ってください。ぼろ儲けを目指す考え方は「長い期間売れない」「売り時を逃す」ことに繋がる可能性があります。

 

もちろん、値付けは自由ですから、高い希望金額で出すことも自由です。しかし、物件の売買にはその時々の相場が関わってきます。

 

私たち不動産業者も売却依頼があったら、当然、今の相場で売れる一番高い価格を提示します。買主さんの声があるので、それを考慮して実際にニーズのある数字に設定をしているわけです。

 

つまり、相場を超えるような高い金額で売るのは難しいということです。そして、安く物件を買っていなかったとしても、きちんと残債を減らしていれば売却時に手残りが出る可能性は十分あります。

 

それでも全てのケースで儲けが出るわけではなく、例えば新築区分マンションを買っている人は損をする確率が高いと感じています。

 

しかし、中古を買っている投資家さんにそこまでの失敗はありません。

 

いずれにせよ、購入時においても売却時においても、「どの不動産会社と取引するのか」というのは重要です。

 

一口に不動産会社といっても、言っている内容やお客さまに対しての考え方は大きく異なります。ですから、性善説で不動産会社に接するのは危険だと思います。

 

また、営業マン自身が「これが正解だ!」「自分は儲かる物件を紹介している!」と間違った知識や情報を信じ切っているケースもあります。ネットワークビジネスや、新興宗教にハマった人たちと同じような心境ではないでしょうか。

 

そうしたこともある世界なので、投資家さんが知識をつけるのは必須といえるのです。

 

次ページ収益不動産は「売却をしない方が得」なケースも

※本連載は新川義忠氏の著書『速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意』(ごま書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

速く、高く、不安なく!トータルで収益を増やす“不動産売却”の極意

新川 義忠

ごま書房新社

不動産投資において、「売却」は不可欠なものです。そもそも不動産投資には「家賃収入によるインカムゲイン」「売却時の利益、キャピタルゲイン」と2つの利益があります。 安く買って、高く売れば利益になりますが、10年前に…

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