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「高く売却」という発想がない相続物件
収益不動産を相続した人が売却するケースはよくあります。その理由としては「相続税を支払うため」が挙げられます。
あらかじめ相続の準備をしていなければ「不動産があっても現金がなくて、相続税を支払えない」という例もよくあります。被相続人が亡くなって10カ月以内に納税しなければなりませんので、慌てて売却することになります。
また、相続人が賃貸管理業をしていなければアパート・マンション経営を負担に感じて売却を考えるケースもあります。
他にも、お金というよりも単純に「こんな古いアパートを相続しても、どう運営していいのか分からないから困る」といった理由から売却を考える人もいます。
当社では、相続だとこのケースが多くなります。
相続を理由に売却を考えている人は、もともとは「高く売却をしよう」という発想がありません。「相続税が支払えれば良い」「早く売れれば良い」という考えです。
ですから、相続物件の場合は安く買えるチャンスがあるように見えますが、そうした相続案件は短期間で売らなければならないので、収益不動産のマーケットではなくて業者買取になるケースも多いです。
不動産会社によっては、税理士に対して「良い物件を紹介してくださいよ」とお願いし、紹介した税理士は紹介料をもらう仕組みができあがっています。
相続で高く売りたい場合は事前準備が必要です。できれば、相続前に資産を整理しておくほうが良いでしょう。
複数の収益不動産があるならば、売却する物件と相続する物件に分けて、管理を引き継げるように準備する。納税資金が足りないのであれば、そのための売却をあらかじめしておきます。
こうした対策をしているか、していないかで大きく変わります。