数年前、「老後資金2000万円問題」が話題になりましたが、これは2000万円貯蓄があれば安泰というわけではありません。しかも、家庭の生活水準によって、将来の希望する老後の生活像は異なります。老後の生活不安を解消するには何が必要なのでしょうか。24,000戸以上を管理する不動産会社の代表の重吉勉氏が著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)で明らかにします。

奥さんに内緒です…「月5万円マイナス」の不動産投資の悪夢

「老後不安」を解消したいならお金を貯めるな!

■貯金をしているから将来の不安はいつまでたっても解消されない

 

将来のために毎月の給料からコツコツと貯金をして備えている方も多いかもしれません。リストラや給与の減額、会社の倒産、老後問題。将来に備えようとするとお金はいくらあっても足りない気さえしてきます。

 

ただ、残念ながら毎月コツコツと貯金を続けていたとしても、将来の不安が解消されることはありません。想像してみてください。もし、いまあなたの手元に2000万円の貯金があるからといって、それだけで会社を辞めて暮らしていけるでしょうか。老後を豊かに過ごしていけると思えるでしょうか。

 

では、なぜ真面目に貯金をしている人ほど、将来の不安をいつまでも払拭することができないのか。

 

それは、貯金は「資金」であって「資産」ではないからです。

 

資金はいくらあっても収入を生むことはありません。一方で、定期的に収入を生み出してくれるものが資産です。

 

たとえば、老後に備えていくら貯金をしたとしても、生活費として毎月取り崩していけばいつか底をついてしまいます。同じように脱サラして起業した場合、売上が安定してくるまで毎月のように貯金を取り崩していけば同じように、せっかくの貯金もいつかはなくなってしまいます。給与天引きで貯金を毎月行っているような堅実な方こそ、いざというときに備えて、貯金も使うことができないはずです。

 

お金があっても使えないのは、次の収入が入ってくる見込みがないからです。減っていくだけのお金であれば、誰だってお金を使うことを躊躇してしまいます。

 

では、年金に加えて、毎月、安定してお金が入ってくる収入源があればどうでしょうか。毎月、毎月必ずお金が入ってくるのであれば、気兼ねなく使えます。

 

そうです! 豊かな老後を過ごすためには、お金を貯めることを目的にするのではなく、収入源をつくることを目的にすることが大切です。

 

お金を気兼ねなく使うためには、貯金を続けて使えない資金を貯めこんでいては不安を解消することはできないのです。

 

不安を解消するために必要なことは、資金を作ることではありません。収入源を作ることこそ必要不可欠です。

 

例えるなら、バケツに水を溜めるのではなく、水の出る蛇口をつくること。せっかくバケツにいっぱいの水を入れていたとしても、使えば減ってしまいます。万が一、バケツが倒れでもしたら、すべての水はなくなってしまいます。

 

一方で蛇口があれば、ひねれば水が出てきます。使い切ってしまっても、大丈夫。蛇口をひねればよいだけです。

 

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本連載は重吉勉氏の著書『不動産投資が気になったらはじめに読む本』(金風舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

不動産投資が気になったらはじめに読む本

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