上司が部下を叱るのは当たり前。過ちを指摘するのは当たり前…。そんなふうに「正しさ」ばかりを追求していくと、人間関係はどんどん難しく、つらいものになっていきます。仕事もプライベートも、いろいろな立場の人が、それぞれ気軽に意見が言える環境を作ることが大切なのです。脳神経外科医が解説します。

「正しさ」にこだわりすぎれば、人間関係は難しくなる

正確な文法や正しいスペルにこだわり過ぎて、外国人とうまくコミュニケーションできないというのと同じで、「正しさ」にこだわり過ぎると結果的にうまくいかないことが多いです。

 

例えば、ミスをした相手を叱責する行為は、本来は正しいはずです。ミスは良くないのだから、上司は厳しく叱るのは正しいと思います。

 

でも、厳しく叱責されたことで萎縮してしまい、職場にいるのがつらく感じるようになってしまったとか、自分の力を発揮できなくなったとか、パワハラだと感じてしまったとなると、この上司の叱責は行き過ぎということになってしまいます。

 

正しさだけを主張していると、周囲の人とうまくやっていくのが難しくなるのです。

 

僕が今の病院で新しい治療法を進めようとしたときも、正論だけでは人を説得できないということを強く感じました。「自分が絶対に正しいはず」という態度を押し通しても何も変わらないということです。

 

「自分のことを分かってくれない周りが悪い」という考えも通用しません。どの仕事でもそうだと思いますが、周囲が分かってくれないなら分かってくれるまで説明をするべきですし、こちらから胸襟を開いて丁寧に説得を続ければ、よほど嫌われていない限りは聞き入れないという人はそんなに多くないはずです。

 

正しさだけでは通用しないというのは、子どもに対してもいえることだと思います。

 

例えば、子どもがテストで悪い点数を取ったときに厳しく叱れば、子どもは次からは絶対に良い点数の答案を持ち帰らなければいけないと感じます。それで頑張って良い点が取れるようになればいいのですが、もしもまた悪い点数を取ってしまったら、その子はどうするかというと、悪い点数のテストを隠すようになるかもしれません。あるいはカンニングするかもしれません。それでは叱った意味がないどころか、逆効果です。

 

叱ってはいけないとは言いませんが、あまり厳しくし過ぎると、その子は「親に叱られないこと」を目的にしてしまいます。すると、その目的のために手段を選ばなくなってしまいます。親が正しさにこだわり過ぎると、間違った方向に子どもを誘導してしまうのではないかと思うのです。

 

相手の失敗を厳しく罰するよりも、失敗を受け止めてそこから学ばせ、もう一度挑戦させるほうがずっと有益です。

 

特に子どもに対しては、成功体験も重要ですが、小さな頃から「失敗しても大丈夫」「失敗からやり直せる」ということを何度も体験させておけば、大きくなってからも失敗を必要以上に恐れることもなく、失敗から立ち上がるようになるのではないかと思っています。

 

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郭 樟吾

幻冬舎メディアコンサルティング

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