(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者が細かく指示しなくても社員が主体的に行動し、事業を進めていく「自走型組織」に変わるために必要な要素は4つあるといいます。経営者たちが抱える「組織変革」の悩みを組織改革コンサルタントの森田満昭氏が解説します。

「自走型組織」に必要な4つの条件

■自走型組織に必要な条件

 

組織において問題が起こりやすい構造ができている場合、なにか起こった際単純に誰が悪いのか、なにがだめなのかと犯人探しをしても解決しません。何回言っても直らないのであれば、「なぜ何回言っても直らない状況が継続しているのだろうか」と考える必要があります。

 

そして、もし自分に変えられる要素があるのならそれはなにか、自分はその構造にどんな影響を与えているのか、自分の関わり方を変えたら改善に向かわないだろうかと思考を深めていくことが大切ですが、一部の人間だけが考えるのではなくそれぞれの階層・立場の人が考えることが不可欠です。

 

会社が自走型組織に変わるために必要な要素は4つあります。

 

「組織に心理的安全性があること」

「実現したいと心の底から思えるビジョン」

「循環的に物事をとらえ、本質を見るためのシステム思考」

「互いに傾聴し合う質の高い対話」

 

この4つがそろって初めて、個々人のスキルやチームの問題解決能力を高める課題に取り組むことができ、その結果事業が推進されて成果が手に入るのです。

 

▶組織に心理的安全性があること

心理的安全性とは「組織のなかで自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態」を指します。

 

これまでの社会人は「なにか問題が起こった際には原因を追及しろ」と教育されてきました。「なぜ」を5回繰り返すトヨタ式5W1Hなども有名です。しかし、人間はそれほどロジカルにはできていません。「どうしてあんなことを言ったの?」と問われたとき、正直に答えられない人も多くいます。

 

その理由としては「明確な理由がない」からということが考えられます。そのことを含めて真実を言わない、正しくは「言えない」のは、組織に「理不尽に怒られることはない」「同僚や上司が一緒に改善策を考えてくれる」などの心理的な安全性がないからです。そういう人は「次はばれないようにうまくやろう」「次は怒られないように隠そう」と、問題解決とは逆の問題隠蔽に向かいます。その結果、互いが互いをかばい合い、ますます原因が分からなくなるのです。

 

▶実現したいと心の底から思えるビジョン

なにを目指して自分はこの仕事をしているのか――組織として個人として、今やっていることの先にある実現したいもの、そのことを考えると今頑張ろうと心の底から思えるものがビジョンです。

 

ビジョンは社員全員で共有することが大切です。目の前のやるべきことは、帳簿付けや段ボール箱の整理といった面白みのない業務かもしれません。しかしその業務が組織全体として大切で必要なものであり、各自がその役割をきちんと果たすことで個人のビジョン実現に直接つながっている実感があれば、社員は業務の価値を認められます。

 

「誠意が大事」「神は細部に宿る」など仕事の本質をついたシンプルな言葉は、人から教わることができます。しかし、その深い意味に気づくためには、本人が自分の内面にある精神性を開拓していくプロセスが必要です。他人は気づきを促す場をつくることはできても、本質を教えることはできないのです。ビジョンも同じで、自分の業務が大きなビジョンにどうつながっているのかは他人が教えられるものではなく、本人が自分で気づくしかありません。しかし、経営者がその気づきの場をつくることはできるのです。

 

次ページ組織変革に不可欠な「心理的安全性」

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    ※本連載は、森田満昭氏の著書『社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方

    社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方

    森田 満昭

    幻冬舎メディアコンサルティング

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