(※写真はイメージです/PIXTA)

これから開業する会社や個人事業主がまず当たるべき金融機関は、ズバリ「公庫」です。公庫に融資を申込む際には、「自分で手続きをする」やり方と、「認定支援機関を通じて手続きをする」2つの方法があります。ここでは認定支援機関を通すメリットや、自分で手続きする場合との違いについて見ていきましょう。資金調達アドバイザーの田原広一氏が解説します。

認定支援機関なら「審査を受ける支店」が選べる可能性

認定支援機関を通すメリットはまだあります。「審査を受ける支店を選べる」ケースがあることです。

 

自身で申込みを行う場合には開業予定地の管轄支店での申込みとなりますが、認定支援機関を経由すると、同機関と頻繁に取引している公庫の支店で融資を受けることができるケースがあります。つまり、すでに資金調達実績のある支店に融資の申込みを行うことができる。これは大きなメリットです。

 

また、私の会社のように貸金業の登録を受ける認定支援機関であれば、担当者が同席できるケースもあります。書類作成のサポートが受けられる点も、大きなメリットです。

 

「創業計画書」や「事業計画書」は、融資成功のカギを握る大切な書類であり、作成するにはしっかりとした備えが必要です。

 

とはいえ、これから独立する方にとっては、融資の申込みも、必要書類を作成するのも初めての体験となり、なかなかハードルが高い作業となります。実績をもつ認定支援機関のサポートを受けることで、融資のためだけではなく、事業がしっかりと継続、拡大していくための方法を一緒に考えてもらえるのもアドバンテージといえます。

 

また、プロに任せれば書類の不備などで審査期間が長引くリスクも少なくなります。個人で融資を受ける場合、平均して審査に1ヵ月程度かかるケースもあるところ、プロが手掛けた場合、平均して1~2週間、早ければ数日でスピーディに融資にこぎつけることもあります。

自分で申込む場合、約半数が「審査落ち」しているが…

また、副次的な効果として、信用力アップにつながることも期待できます。

 

認定支援機関のサポートは、本番の審査を受ける前のいわば0次審査のような位置付けで、「この人にお金を貸しても大丈夫だと判断しました」とお墨付きをもらったことにも通じます。私の会社に問い合わせをされてきた方の約6割をやむなくお断りし、必要な準備をしていただいてから再度、ご相談いただけるようお願いしていますが、そのハードルを乗り越え、サポートさせていただいたケースについては9割超が融資にパスされています。

 

つまり、プロの助けを受けることで、自身で融資の申込みをするよりも成功の可能性が高まることが期待できます。逆に個人で申込んだ際には半数以上が審査に落ちる可能性があります。

 

もちろん「経験値と自己資金」などの条件が良ければ、個人で申込みをしても、融資自体は成功する可能性は高いでしょう。成功する確率だけでなく、「最大限に有利な条件で借入をしたい」「慣れない金融機関への対応はプロに任せて、本業のほうの創業準備に注力したい」「少しでも多くの融資を受けたい!」と考えるならば、「認定支援機関」の力を借りることをオススメします。

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    ※本連載は、田原広一氏の著書『賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    増補改訂版 独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣

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    田原 広一

    幻冬舎メディアコンサルティング

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