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人生で最後の買い物に来たお客の狙い
しとしとと雨が降る、静かな日の午後。
「道具を選んでほしいのだけど……」と年配の女性に声をかけられました。
フライパン、お鍋、包丁、まな板、菜箸とあまりにもたくさんの商品を選ばれるので、「引っ越しですか?」とうかがうと、「そうなの。これが人生最後の買物なのよ」と微笑むのです。お話を詳しく聞いてみると、長年連れ添った旦那様に先立たれ、これから一人で介護老人福祉施設に入居するといいます。
新しい住まいはオール電化のため、これまでの料理道具を買い替える必要があるとのこと。それならば、この機会に二人用だった道具をすべて一人用のコンパクトなものにしようと決めたそうです。
そして、「人生最後となる料理道具は、ぜひ飯田屋で買いたい」と、わざわざ静岡から新幹線に乗って来てくださったのでした。その話を聞いて、「長く愛せる最高の料理道具を選んで差し上げたい」と心から思いました。
チタン製のフライパンはとても軽く、力の弱い女性や年配の方にとても人気があります。このお客様が気に入ってくださったのもチタン製でしたが、残念ながらIHクッキングヒーターに対応していません。
チタン製には、表面の塗装がはげてしまうと焦げやすくなるというデメリットもあります。人生最後となる料理道具を選ぶのならば、長く使えるものを選んであげたいのでおすすめできません。
とはいっても、重いフライパンでは疲れてしまい料理をしなくなってしまいます。悩みながらも、なるべく軽くて長持ちするアルミ製のフライパンをおすすめしました。
しかし、やはり重さが少し気になるようで、「コーヒーを飲みながら考えてきます」と近くの喫茶店で休憩してくるというのでメモをお渡ししました。メモには、チタン製とアルミ製の違いやメリットとデメリットなどを書きました。
お客様はさまざまな料理道具を選びながら3時間ほど悩んだ末、「やっぱり飯田さんに選んでもらったものが欲しいわ」と言ってアルミ製のフライパンをお買い上げくださいました。そして、嬉しそうにおっしゃいました。
「今日は朝から雨が降っていたから、飯田屋さんに行くことにしたの。雨の日をずっと狙っていたのよ。だって、ほかのお客様が少ない日なら、あなたにゆっくり選んでもらえるでしょう?」
今まで雨の日が好きではありませんでした。お客様が晴れの日に比べて少ないからです。でも、お客様のこの言葉を聞いてから、僕は雨の日が好きになりました。
店は毎日、学びがある学校のようなものです。雨の日だからこそ喜ばれる人もいることを知りました。「人生最後となる料理道具」を選ぶお手伝いをさせていただけたことに、感謝と喜びで胸がいっぱいになった雨の午後でした。
飯田 結太
飯田屋 6代目店主
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