人生最後の買い物なのに老女が「雨の日」を選んだ納得の理由 長く愛せる最高の料理道具を選んであげたい。

しとしと雨の降る日の午後のこと、「道具を選んでほしいのだけど……」と年配の女性が声をかけてきました。聞けば、「人生最後となる料理道具は、ぜひ飯田屋で買いたい」と、わざわざ静岡から新幹線に乗って来たといいます。なぜ雨の日だったのでしょうか。飯田屋6代目店主が著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)で明かします。

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1億のレビューよりたった一人の専門家

アマゾンのカスタマーレビュー機能はとても便利と評判です。たしかにアマゾンランキングのトップ商品には、思わず購買意欲をそそられます。ですから、評判が高くなるほどに、その評価を信用して次の購買行動へとつながるため、売上も伸びる傾向にあります。

 

しかし、専門店である僕たちがカスタマーレビューの評価をそのまま鵜呑みにして商品を販売するわけにはいきません。そこには必ずずれがあるからです。

 

あるとき、アマゾン売れ筋ランキング1位から100位までのビールグラスを買い集め、どれがいちばんビールをおいしく飲めるかを基準に、独自に評価してみました。すると驚くことに、1位のグラスが断トツの最下位となったのです。

 

そこで従業員にも、僕が評価した1位のグラスとアマゾン売れ筋ランキング1位のグラスを含む10種類をブラインドチェックで評価してもらいました。すると、好みによって多少のばらつきはあったものの、誰一人としてアマゾン売れ筋ランキング1位のグラスをおいしいとは評価しませんでした。なぜ、このようなずれが起きるのでしょうか?

 

「純銅製雪平鍋」(飯田屋オリジナル)
「純銅製雪平鍋」(飯田屋オリジナル)

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売れ筋ランキングは、扱いやすさ、購入しやすい価格などさまざまな評価で成り立っています。また、広告による好印象も大きな要因かもしれません。構造的な特長などをうたった広告商品はリーチされやすく、ランキングが上がる傾向にあります。

 

カスタマーレビューはあくまで、その一品を気に入ったかという絶対的な評価でしかありません。僕たちのように何十種類もグラスごとに飲み比べて、相対的な評価をしている人はいないでしょう。カスタマーレビューを参考にするのはいいことです。しかし、すべてを鵜呑みにしていては、あなたが探し求める一品には出合えないかもしれません。

 

飯田屋では、カスタマーレビューには書かれることのない情報や知識、相対的な評価を伝えます。だから、お客様は感動してくださいます。どれだけの多くの人の情報よりも、たった一人の情報により大きな価値を持たせることも可能だと信じています。

 

僕たちは一人の専門家として、一人ひとりの異なるニーズに合った「あなたにおすすめの一品」を、自信を持って伝えていきたいのです。それこそが実店舗が生き残る道です。

 

それは難しいことではありません。大切にしているお客様にただ喜んでいただきたいという一心で、いろいろと商品を勉強して販売するだけのこと。それは、昔から多くの店で普通に行われていた営みにすぎません。

 

最近、どの店もやたらと近道を求めすぎる風潮があります。それが「実店舗はネット通販に負けてなくなる」という話につながっているような気がしてならないのです。

 

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株式会社飯田代表取締役社長

大正元年(1912年)に東京・かっぱ橋で創業の老舗料理道具専門店「飯田屋」6代目。料理道具をこよなく愛する料理道具の申し子。TBS「マツコの知らない世界」やNHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス!」など多数のメディアで道具を伝える料理道具の伝道師としても活躍。自身が仕入れを行う道具は必ず前もって使ってみるという絶対的なポリシーを持ち、日々世界中の料理人を喜ばせるために活動している。監修書に『人生が変わる料理道具』(枻出版社)。2018年、東京商工会議所「第16回 勇気ある経営大賞」優秀賞受賞。

著者紹介

連載浅草かっぱ橋商店街で営業方針は「売るな」で大繁盛

※本連載は飯田結太氏の著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)を抜粋し、再編集したものです。

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

飯田 結太

プレジデント社

効率度外視の「売らない」経営が廃業寸前の老舗を人気店に変えた。 ノルマなし。売上目標なし。営業方針はまさかの「売るな」──型破りの経営で店舗の売上は急拡大、ECサイトもアマゾンをしのぐ販売数を達成。 廃業の危機に…

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