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無形文化遺産に登録された、17の「伝統建築工匠の技」
国土の7割が森林で占められている日本では、はるか古代より木造の建築技術が育まれてきました。材料が豊富であったことに加え、高温多湿な日本の気候風土も影響していると考えられます。
木造の建物は通気性に優れているため、空間を快適にするべく木が選ばれたと考えられます。また、木材は加工がしやすく、設計の面で自由度が高いという特徴もあります。地震の多い日本において柔軟性があると同時に頑丈という強い耐震性を備えた木造建築を生み出すことにもつながっています。
こうしたことから日本では「木や草、土などの自然素材を建築空間に活かす知恵」「保存修理を含めた、長期的な使用を前提とする材料の選択」「再利用技術の創意工夫」「古い部材と修理時の新しい部材との一体化を図る高度な技術」など、さまざまな面で建築技術は改良を重ねながら継承されてきたのです。
その技術の素晴らしさは世界的に見ても高水準であることが認められ、令和2(2020)年12月にはユネスコの無形文化遺産に「伝統建築工匠の技:木造建築物を受け継ぐための伝統技術」として登録されたほどです。
その登録された技術は17にもわたります。
具体的には「建造物修理」「建造物木工」「檜皮葺・杮葺」「茅葺」「檜皮採取」「屋根板製作」「茅採取」「建造物装飾」「建造物彩色」「建造物漆塗」「屋根瓦葺(本瓦葺)」「左官(日本壁)」「建具製作」「畳製作」「装潢修理技術」「日本産漆生産・精製」「縁付金箔製造」ですが、今の日本人で、これらの技術がどのようなものかを理解している人はそう多くはないと思います。
もちろん専門家でもない限りは詳細なところまで理解しておく必要はありませんが、その一端を知るだけでも「日本にはこんなに素晴らしい技があったんだ!」と感嘆するに違いありません。
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