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業界大手でさえ希望退職を募る時代。家族を守るには…
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【大橋さん(仮名)のプロフィール】
年齢:32歳(男性、社会学部卒)
所属:国内大手メーカー(係長)
担当:クリニック
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大橋さん(仮名)は、大手国内メーカーに入社して10年。当初は文系出身ということで不安もありましたが、充実した教育制度や先輩たちのサポートもあり、現在は関西の支店で開業医チームの中堅メンバーとして活躍しています。
「開業医チームが担当する医療機関は数がとても多く、若いうちから一人で行動するのが当たり前。現場で鍛えられました。今は自分の経験を基に、若い後輩をひっぱっていく番です。一人ひとりのメンバーの成長がチームの原動力になり、もっと高い成果を上げたいと思っています」
一方、業界内では大手でさえ希望退職を募集する時代です。勤務する会社は大手の一角とされますが、研究開発中のパイプラインがやや弱いというのが業界での評価です。
最近も、期待されていた新薬候補が治験の途中で思ったような効果が出ずに中止になってしまいました。
「うちは専業主婦の奥さんと4歳、1歳の子どもがいる4人家族。これからの生活設計を考えると、どこかのタイミングで他社への転職もありかなと考え始めているところですが、家族の生活を守りながら、キャリアも充実させていきたい。そのためには、投資や資産運用が必要だと痛感しています」
担当ドクターが不動産投資の話をしているのを聞き…
そんな大橋さんが懇意にしてもらっているクリニックを訪問したとき、院長先生に掛かってきた電話の話が聞くともなく耳に入ってきました。
どうも不動産投資の話らしく、先生はいったいどんな投資をしているのか気になり始めたそうです。
「さすがに直接、聞くわけにもいかず、自分なりに医師がどのような不動産投資をやっているのか調べてみました」
分かってきたのは、所得の高い開業医は、一棟マンションなどを購入し、節税しながら家賃収入でローンを返済し、安定したキャッシュフローを得ているということでした。
「MRも医師ほどではありませんが、他業種の営業職に比べると給与水準は高いほうで、税金も気になっていました。そこで、医師専門の不動産会社のセミナーに参加したりして、より詳しく、不動産投資の仕組みを勉強し始めたんです」
もちろん、不動産投資といっても対象となる物件の種類や投資金額は人それぞれです。まとまった資金がある人なら、数億円するような一棟マンションなども可能ですが、それほど資金があるわけではない初心者なら、いきなり大きなローンを組むのは心理的にもハードルが高いでしょう。
また、時間に余裕のある人なら、築古のアパートを安く買って自分で修理したりするのもありですが、仕事が忙しく、いちいち入居者のクレームなどに対応していられない人なら、新築物件のほうがラクです。
こうしたことをひととおり勉強した大橋さんは、まず新築の区分ワンルームを購入してみることにしました。価格は3000万円で自己資金は頭金10万円と諸費用100万円だけ。残りは銀行ローンを組みました。毎月の収支は約1万円の赤字ですが、団体信用生命保険に入っているので保険代わりとして考えています。また、人気エリアで立地が良ければ入居者が途切れることもなく、将来、売却するときも価格はそれほど下がらないだろうという読みもあったそうです。
不動産投資は、株やFX、暗号資産のように短期的に大儲けするのは難しいですが、手間暇は掛からず、心理的にハラハラドキドキすることもなく、さらにいえば節税効果もあります。忙しくて所得の高いMRにはぴったり。自分に合った不動産投資のスタイルを見つけた大橋さんです。
MRの年収はいくら?
■大手勤務なら30代半ばで「年収1000万円」も当然だが…
MRの年収は大手製薬企業であれば、30代の半ばくらいになると1000万円プレイヤーも当たり前。営業所長や支店長クラスになると2000万円近くなることもあるようです。
実際のデータを見ても、社員の平均年収が1000万円を超える製薬企業が少なくありません【図表】。名前を知られた大手だけでなく、独創的な新薬を開発する創薬ベンチャーが顔を並べているのも特徴的です。通常、有価証券報告書に記載される社員の平均年収には、ボーナスのほか残業代や諸手当などを含みます。
MRの場合、転勤が多いので家賃補助が手厚く、また毎日、医療機関を回るので営業日当などの手当ても支給されます。一方、個人レベルでいうと、年収が高い人はお金に無頓着で、支出も多くなる傾向があります。具体的にいつ、どこで、どれくらい使ったかまではほとんど把握していません。結果的に、年収に比べて貯蓄が少ない人がMRには多いようです。
MRは他業種の営業職に比べると、住宅手当が充実しており、非課税の営業日当もあります。そのため年収の水準が高く、しかも仕事は多忙を極め、投資や資産運用に無関心な人も多いようです。
その結果、お金はとりあえず銀行に預けていたり、奥さんに全部任せていたり、うまく活用できていないケースが見受けられます。いちばんまずいのはブランド品や食事などに浪費しているタイプ。年収が高いMRにこそ「金融リテラシー」が必要なのです。
大山 一也
トライブホールディングス 代表取締役
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