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コロナ禍の製薬企業…売上高トップ10
新型コロナウイルス感染症の流行で、注目される製薬業界。2021年度、国内製薬企業で売り上げトップは「武田薬品工業」で3兆1978億円。前期比2.8%減収も、主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」が前期比23.6%増と貢献し、2期連続で売上3兆円を超えました。
2位の大塚HDは抗がん剤「ロンサーフ」などが伸び、事業利益は上場以来の最高益(2,169億円)を記録。3位のアステラス製薬は、複数製品の販売契約終了が響き、前期比3.9%減収も、前立腺がん治療剤「XTANDI」が前期比14.6%増など、売上に貢献しました。
5位の中外製薬は、前期比14.7%増となり、前年度6位からランクアップ。10位の小野薬品工業は免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が前期比13.2%増となるなど売上を伸ばし、昨年11位からのランクアップとなっています。
【国内製薬会社売上高トップ10】
1位「武田薬品工業」3兆1,978億円
2位「大塚ホールディングス」1兆4,228億円
3位「アステラス製薬」1兆2,495億円
4位「第一三共」9,625億円
5位「中外製薬」7,869億円
6位「エーザイ」6,459億円
7位「大日本住友製薬」5,159億円
8位「田辺三菱製薬」3,778億円
9位「協和キリン」3,183億円
10位「小野薬品工業」3,092億円
※集計:2020年~2021年3月期本決算
営業利益のトップも「武田薬品工業」で5,093億円ですが、売上5位の「中外製薬」や、10位「小野薬品工業」、さらに売上11位の「塩野義製薬」は、営業利益率3割超えの高収益を記録しています。
また製薬会社の未来を左右する研究開発費をみていくと、トップはここでも「武田薬品工業」で4,558億円。売上に対する比率でみていくと、がん領域での投資を強化している「第一三共」のほか、「エーザイ」「大日本住友製薬」「小野薬品工業」が2割超と高くなっています。
さらに海外売上高もみていきます。トップは「武田薬品工業」で2兆6381億円。総売上に占める割合は82.5%、多くを海外で稼いでいます。ほか「アステラス製薬」77.7%、「大日本住友製薬」63.4%と、海外売上が国内売り上げを大きく上回っています。