令和5年で終了…「教育資金贈与」非課税の対象項目は?改正の注意点は?【税理士が最新情報を解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

教育資金贈与は相続税対策として注目を集めていますが、ここ数年の税制改正で贈与者死亡時の相続税の課税関係が複雑になっています。「教育資金贈与をすべきか否か迷っている」という人のために、最新情報も含めて解説していきます。

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教育資金贈与(教育資金一括贈与)とは?適用期間はいつまで?

教育資金贈与(教育資金一括贈与)とは、直系尊属である贈与者(両親・祖父母・曾祖父母など)が、30歳未満の直系卑属である受贈者(子供・孫・ひ孫)に、取扱金融機関との教育資金管理契約に基づいて教育資金を一括贈与した場合、受贈者1人あたり最大1,500万円(習い事等は最大500万円)までは、贈与税が非課税になる特例です。

 

分かりやすく言うと、教育資金贈与とは、子供や孫の教育費を最大1,500万円(または500万円)まで、一括&非課税で前渡しできる特例ですね(複数回に分けて贈与も可能です)。

 

教育資金贈与の正式名称は、国税庁HPでは「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」、文部科学省HPでは「>教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」と呼ばれています。

 

通常、年間110万円以上の贈与には贈与税が課税されますので、最大1,500万円というのは大きな非課税枠と言えるでしょう。

 

教育資金贈与のポイントとなるのは、贈与者(祖父母等)と受贈者(孫等)との間に「金融機関」を挟むことです。 金融機関が贈与者から教育資金を預かって管理し、教育資金が必要になる度に受贈者等に払い戻しを行います。

 

この際、払い戻しされた金額が「教育資金」であることを証明するために、受贈者等が領収書等や請求書等を、取扱金融機関へ提出する必要があります。

 

教育資金贈与は令和5年3月31日まで延長決定

 

教育資金贈与は令和3年の税制改正により2年延長が決定され、特例の適用期間は令和5年3月31日までとなりました。 平成25年の創設以来、教育資金贈与は何度か改正が行われており、ここ数年で贈与者が死亡した場合における「一定の管理残額に係る相続税の課税関係」が複雑になっています(令和3年現在)。

 

改正における注意点はこの記事内でご紹介しますが、「いつの時点の税制で行われた拠出金額(贈与された金額)なのか」を正確に把握する必要があります。 これから教育資金贈与を検討されている方も、既に教育資金贈与を利用されている方も、贈与者の相続が発生した方も、まずは相続税に強い税理士に相談されることをおすすめします。

教育資金贈与で非課税となる対象項目

教育資金一括贈与の対象項目となる「教育資金」とは、具体的には以下の2種類に分類されます。

 

教育資金とは ①学校等に対して直接支払われる金銭(最大1,500万円) ②学校等以外の者に直接支払われる金銭(最大500万円) 【国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」】

 

分かりやすく言うと、「学校」に支払われる金銭であれば最大1,500万円まで、「習い事」に支払われる金銭であれば最大500万円までが非課税となります。

 

教育資金贈与の対象項目について、以下の文部科学省ホームページで細かなQ&Aが記載されていますので、併せてご覧ください。 >>文部科学省「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」

 

学校等に対して直接支払われる金銭(最大1,500万円)

 

「学校等に対して直接支払われる金銭」の対象項目は以下の通りで、「学校」であれば日本国内外を問わずにほとんどの種類が対象となります。

 

学校等とは ▶学校教育法上の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、大学院、専修学校、各種学校 ▶外国の教育施設 〔外国にあるもの〕その国の学校教育制度に位置づけられている学校、日本人学校、私立在外教育施設 〔国内にあるもの〕インターナショナルスクール(国際的な認証機関に認証されたもの)、外国人学校(文部科学大臣が高校相当として指定したもの)、外国大学の日本校、国際連合大学 ▶認定こども園や保育所、一定の認可外保育施設など

 

学校等に直接支払われる金銭 ▶入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など ▶学用品費、修学旅行費、学校給食費・通学定期券代、オンライン授業の実施に伴うパソコン購入費用など、学校等における教育に伴って必要な費用など

 

たとえば、小学校で使用するランドセルは、学校等からの書面等が出ていて、その書面に基づいて購入した場合は教育資金の対象となります。 なお、学校などに支払われる教育資金の中には自動車学校なども含まれますが、都道府県の認可の有無によって「学校等」なのか「学校等以外の者など」なのかで対応が異なるので注意をしてください。

 

学校等以外の者に対して直接支払われる金銭(最大500万円)

 

「学校等以外の者に対して直接支払われる金銭」の対象項目は以下の通りで、いわゆる「習い事」や「留学の渡航費」を想定すると分かりやすいでしょう。

 

学校等以外に対して直接支払われる金銭 ▶学習塾などに直接支払われるもの ▶スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など ▶習い事に使用する物品の購入に要する費用(楽器や用具など) ▶習い事に通うための通学定期券代 ▶留学渡航費、学校等に入学、転入学、編入学するために必要となった転居の際の交通費

 

ただし、受贈者が23歳に達した日の翌日以降に支払われるものについては、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用(パソコン教室など)に限定されます(令和元年7月1日以降)。

 

学校等にはこのような制限はありませんが、学校等以外の者である場合には、受贈者の年齢や対象項目に注意をしましょう。

 

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相続税を専門に取り扱う珍しい税理士事務所。年間1,500件(累計7,000件以上)を超える相続税申告実績は税理士業界でもトップクラスを誇り、中小企業オーナー、医師、地主、会社役員、資産家の顧客層を中心に、低価格で質の高い相続税申告サービスやオーダーメイドの生前対策提案等を行なっている。各種メディアやマスコミから取材実績多数有り(※写真は代表社員 荒巻善宏氏)。

税理士法人チェスター http://chester-tax.com

著者紹介

連載専門の税理士が解説~すぐに役立つ「相続税対策」実践講座

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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